「極北の動物誌」 ウィリアム・プルーイット著

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およそ 20年ほど前

朝日新聞の書評で知り買った。

 

1960年代初め 

アラスカの大地を 核実験場開発計画から守り 

故国を追われた動物学者 ウィリアム・プルーイット。

簡単な著者の経歴に興味を持った。

 

勿論 アラスカの大自然

憧れたのは言うまでもない。

 

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詩情溢れる文章とは

こういうものだと思わせる

静かな熱情と観察力。

 

アラスカの大地を覆うトウヒとはどんな木か?

ムースがどんなに大きいか

春になれば 花が咲き 実が生り

実に豊かな生態系が広がっている等

知らない世界だった。

 

それが

友達から勧められて読み始めた

星野道夫へと繋がっていく。

 

星野道夫

「アラスカの自然を詩のように書き上げた名作」

と 評した名作。

上質な文 視点を改めて感じた本だ。

「枯れた植物」 続き

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栃の実

昨日の「枯れた植物」の続き。

 

toikimiさんが

私の栃の実を表現した「頑固ジジイみたいな実」

を 二度見に行ったと

ブックコメに書いておられた。

 

写真の中の小さな栃の実では

頑固ジジイ風が分からないであろうと

今日 アップで撮った。

 

どうだろう

この頑固ジジイぶりは。

 

しかし

深い濃い茶色の素朴な実は

思わず指でつまんで口に放り込みたい

甘くてホロリとした 風情を醸し出している。

 

yuuko1220さんは

「3段目右端の実」が

トックリバチの巣のようだとか。

ああ 本当に 土で作られた巣に見える。

でも これも小さな栃の実なのだ。

 

栃の実を初めて見た時の印象。

それは忘れがたく 私の心に残った。

枯れた植物

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手元にある枯れた植物。

 

松ぼっくり 樅の実

栃の実 杉の実 どんぐり

百合の花 コアジサイ 等々

 

松ぼっくり 樅の実

濡れると開いた種子が閉じる。

 

栃の実は 厚い殻に守られ

ある日 それが割れて

四角い 頑固ジジイみたいな実が現れる。

 

枯れた薄い茶色の百合は 

浜で拾った貝殻みたいに

儚い薄さを持つ。

 

杉の茶色の実を見ながら

これが 花粉を撒き散らすのか

と思うが かわいい形をしている。

 

艶々としたどんぐり

立てたり 横にしたり。

 

濃い茶色に変化したコアジサイ

繊細な姿で ぞんざいに扱うと

すぐに ポキッと折れるのだ。

 

そんなものを 小さな陶に並べ

壁に掛けよう。

 

枯れた植物が好きな私の

ちょっとした 

詩みたいな物になるのではないか?

エゴの実

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エゴの実

久しぶりの青空を 見上げたその先に

産毛に包まれた 淡い緑の 小さな木の実。

 

6年ほど前に

小さなポットに植わっていた

数センチ位のエゴの若木をもらった。

 

花が咲いたのも 

気がつかないほどの 放ったらかし。

 

葉の色が 黄色に変わる秋に

お腹の赤茶色の ヤマガラがやって来る。

そして

枝に止まり 実を食べるのだ。

それを夢見ては 嬉しくなる。

 

雨の続く日々に

ほんのいっときの晴れ間。

 

初めて出会ったエゴの実 心が躍る。

 

山の植物も動物もびしょ濡れだ

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雨降りが続くと キノコが喜ぶ。

山法師が植わった小さな植木鉢に

小さな 小さなキノコがいた。

 

ふっくらした 苔の間に

すくっと立っている。

それを見つけた私が喜んだ。

 

山法師の葉っぱの下に

まるで 雨宿りでもしているみたい。

 

今日も一日中 雨が降った。

山の木も 草も 花も

そして

山に棲む鹿 猪や猿たちも

頭から雨を受け

もう びしょ濡れだ。

雨靴を履いて 少しの散歩

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7/8 夕方

雨靴を履き 傘をさして

少しだけの散歩。

1日 小屋の中だったから。

 

泥色の川面から 白い靄が上がる。

小屋の中の洗濯物が 乾かないのも当たり前。

だから時々 ストーブに薪を燃やす。

冷気と湿気の ひんやりとした冷たさに

炎の暖かさが心地いい。

 

時々 パソコンで雨雲レーダーを見る。

今の強い雨は もうすぐ止むのだ

と思うと ほっとする。

 

しとしとと降っていた梅雨は

どこへ行ったのか?

余りにも激しい雨が 怖い程だ。

陶の箱

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枯れた木の実と松ぼっくり

そして

コアジサイの砂色の花。

 

それらを 陶の箱に入れ

蓋を閉めると 軽い音がした。

もう一つの箱には 白の貝殻。

 

強い雨の音を聞きながら

小さな小屋の中で

ゴソゴソと用事を済ます。

 

こんな日の雨の夕方は

ひぐらしの声も聞こえない。