舞い戻った冬

寒いなあ。 霙まじりの雨が横殴りに降った一日だった。 真冬よりも厚着をし 傘をさして表に出たが 山が雨で霞み 心まで冷たくなった。 クリスマスローズも 可愛いオフホワイトの頭を振り降り 健気な姿で舞い戻った冬に立ち向かう。 暗い夜になり ストーブに…

モチの木の薪

「薪用の木がありますよ」 という電話が来る。 夫は チェーンソーを軽トラに積んで いそいそと出かける。 今日貰ったのはモチノキ。 中が空洞になりかけている。 だから伐ってしまったのだと。 そんなの気にしない、気にしない。 2年後の寒い冬の日。 小屋…

栃餅 よもぎ餅 

春に蓬を採って さっと湯がき それを冷凍庫へ。 半解凍の時に刻み 餅米を蒸す時に一緒に入れず 搗く時に入れる。 栃の実の灰汁抜きは 風呂の薪の灰。 栃餅は好き嫌いがあるから 知ってる人にしかあげられない。 と、タヅコさんは説明してくれる。 軽トラが止…

働き者の質素なストーブ

道の駅の駐車場は 図書館の駐車場でもある。 本を抱えて出て来ると 大きな声で駐車場で話している 一番奥の集落の住人、90才の男性。 「今年の冬は寒いのう! うちの中で−2℃やど」 驚いた・・・ そりゃあ、流しの排水口まで凍るよ。 うちの小さい木の小屋…

70年以上生きた栗の木

80才を過ぎたタイチさんが 子供の頃から知っている2本の栗の木。 それが 21号台風で根から倒れた。 「薪にしないか?」と言うお知らせが来て 夫は軽トラにチェーンソーを積んで出かけた。 栗の木は薪には向かない と思い込んでいる集落の人達。 囲炉裏…

気合いを入れて過ごす季節

簡素な薪ストーブの上。 青い鍋にはぜんざいがとろとろと 白のミルクパンには柚子の砂糖煮がぐつぐつ。 アルミの片手鍋には 捨てようかと思った小さなじゃがいも。 皮を剥いたら冷蔵庫に保存しよう。 そして 大きなやかんにはいつも湯が沸いている。 いよい…

薪にキノコ

高く積もった雪に 引っ張られて 積まれた薪が崩れた。 玉子を配達に来たケンジさんが 「又、用事が増えたなぁ」 と、気の毒がる。 ケンジさんの庭には 立派な鯉が泳いでいる 池がある。 分厚く積もった屋根の雪が その池を直撃して 鯉が何匹か死んだらしい。…

薪小屋

薪小屋 ウグイスが鳴き始め 雪は少しずつ融け始め 晴天は二日も続いたのに。 まだまだ 厚い雪に囲まれている。 よく乾いた薪を 惜しみなく燃やそう。 ストーブの上では やかんがチンチンと音をたてる。 深い雪の中 薪小屋まで数往復。 ストーブの側に一日分…