タイのクッキー

f:id:URURUNDO:20181223003649j:plainCookie Cottageのアーモンドクッキー

 

姉が時々送って来るタイのクッキー。

細切りのアーモンドがたっぷり。

ホロホロと崩れる塊の上にも

大きな粒が一つ。

 

家で作るお菓子の

風情を残した不揃いの形。

これがいかにも

美味しそうな顔をしている。

 

期待に踊る心で

ポリッと一齧り。

 

少しの塩味と甘みと

アーモンドの心地よい歯触り。

 

これは紅茶ではなく

コーヒーと共に楽しむとしよう。

「ああ ほんとに美味しそうだ」

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Cookies Cottage

帰ってきた文庫本

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琵琶湖 東岸

 

大阪で泊まったホテルに

本を忘れた。

 

寝る前に読み

枕の横に置いたまま

 

Amazonで1円で買った文庫本。

ホテルから

着払いで送られてきた

料金は801円。

 

「おお お帰り」

数日の間

私の元を離れた

見慣れた本の帰宅。

 

迷って彷徨っていた

犬が帰ってきた様に

私はとても嬉しい。

何だろう この香りは?

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小糠雨が降り

靄が山を包んだ

暖かい日。

 

畑から立ち上る

草を燃やす煙が

靄と同化し

緩やかに流れて行く。

 

何だろう この香りは?

雨に濡れた落葉の

動物の残した糞の

それらが土に還る時の匂いだ。

 

葉や花が

伸び開く時の

溌剌とした青い香りではなく

しっとりとした朽ちる匂い。

 

この景色や香りを

美しく感じるか否かは

その時の私の

心の様子によって変ってくる。

 

人間とは興味深い。

柘榴(ざくろ)の皿

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堅く焼き締まった

20センチ程の皿。

知人の個展で買った。

 

真ん中に慣れた筆遣いで

描かれた柘榴。

 

皿の真ん中が

ほんの少し盛り上がっているのは

成形に苦労した証。

 

洋でもない 和でもない。

不思議な魅力を持っている皿。

 

私はこの皿に

薄く切ったフルーツケーキや

8っつに割ったリンゴを

載せたりしている。

 

お菓子や果物の間から

見え隠れする柘榴を楽しみ

洗う時に眺め

拭く時に愛でている。

喧噪の街から帰る

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大阪 猪飼野

 

大阪での野暮用が済み

最後の日に訪れたコリアンタウン。

勿論 「高田」の白菜キムチを買うために。

愛想よろしくなく

しかし 

ホームメイドそのままの味が

私にこの店へと足を運ばせる。

 

喧噪の通りから

目を横町に向けると

私の琴線に触れる懐かしい風景。

ごたごたと生活感満載の細い通り。

こういうのをノスタルジーと言うのだろう。

 

500グラムのキムチを

デイパックに詰め

匂いを気にしながら電車に乗り

最寄りのJRの駅に着いた。

 

静かな湖西の街。

明るいうちに山の村に帰る。

又 静かな平常の日々が始まった。

大根おろしを食べながら

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おやつのビスケット

 

次の干し大根にするべく

待機している皮をむいた大根。

小屋の隅に置いてある。

 

新聞に包み

外に置いてある大根。

取りに行くのが面倒で

干し大根用を使う事もしばしばだ。

 

この大根の味の変化に驚いた。

萎びかけた大根での大根おろし

これがなんと甘い!

炊いても甘い。

 

地球の上に存在する「物。」

若い時は辛みがあり

年をいけば丸くなる。

それは

野菜も人間も同じか?

 

水っぽい雪の降る夜

甘い大根おろしを食べながら

何ともトンチンカンな事に

思いを巡らす

 

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15日から18日まで野暮用で出かけますので

お休みに致します。

深夜に作る干し大根

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あちらこちらから冬野菜が届く。

白菜、菊菜、蕪、丸大根、大根。

 

そのどれもが瑞々しい。

包丁を入れると

水が飛び出る様な大根。

葉っぱを剥がすたび

パリパリと音のする白菜。

菊菜はそのまま塩と胡麻油で。

 

しかし

40本程の大根

9株の白菜

二人でこれをどうして食べよう。

新聞紙で包んで保存はするが

とても食べきれない。

 

そこで

毎年の干し大根作りとなる。

先ずは10本。

皮をむき 4っつに切り ストーブの上に吊るす。

これを何回か繰り返す。

 

カラカラに乾いて小さくなった大根。

乾物の美味しそうな香りがする。

 

京都行きが続いた一週間。

まさか 深夜に大根を吊るしていたなんて

誰も思いはしないだろう。