山桑と猿

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山桑の実がよく熟した。

それは小指の先くらいの大きさで

暗い紫色をしている。

 

摘んで食べると

果汁の色は濃厚だが

軽い甘さだ。

 

川向こうの山桑に毎年やって来る猿達。

桑の木の一番高い所に親分が陣取る。

むしゃむしゃと実を食べ

柔らかい葉っぱも食べ。

 

下から若造猿が木を登ろうものなら

親分が大声で威嚇して木を揺する。

 

それでも諦めない若造。

小猿は下で待ち受け

落ちて来る実や葉っぱを

楽々と手に入れる。

 

2本の木の周りは

それは騒がしい。

 

美味しい桑の実

新鮮な桑の葉

 

猿達が去った後

桑の木はすっきりと

散髪をした様に涼しげだ。

 

「ああ、やかましかった

 もう少し、行儀よく食べてね」

夏至の日

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6月21日(夏至)午後7時

 

これだけは写真に撮っておきたい。

 

それは見上げた時の

空の様子であったり

琵琶湖辺りの景色であったり

街の建物の後ろに沈む

夕陽であったりする。

 

夕方7時を過ぎても

未だ明るい今日は夏至

ピンクに輝く北西の空の雲を何枚か撮った。

 

明日から少しずつ

冬に向かって季節は移って行くのだな。

 

「そんな、気が早すぎる」ですって?

 

だって私は

「風の音にも驚かれぬる」感性を持った

日本人の末裔ですから。

赤飯と梅酢大根

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タヅコさんの赤飯は

大きめの小豆がふっくらと艶々している。

 

ご主人は濃い赤いご飯を食べない。

うっすらと赤い色のが好み。

だから

タヅコさんはいつも2種類の赤飯を作る。

 

雪の季節を除いて

タヅコさんの日当りにいい庭に

こぼれんばかりの花が咲いている。

 

何種類もの野菜が

畑に途切れる事なく育つ。

 

畑で採れた大根を

紫蘇梅酢で赤く染めた漬け物。

 

こんなに手間をかけた物を

隣の集落から車で「配達」

「嬉しいです」と私が言う。

それを聞くタヅコさんも

いつもちょっと嬉しそうな顔をする。

「ヒヒヒヒーーン」と鳴くから駒鳥(コマドリ)

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朝から夕方まで

山のあちらこちらから

聞こえて来る「ヒヒヒヒーーン」

コマドリの鳴き声。

 

馬のいななきに似ているから駒鳥。

 

オレンジ色の綺麗な野鳥だ。

時折

薪小屋から驚いた様に

2羽が飛び立つ。

 

人間の世界の様々な出来事も

山の中で飛び交い 歌う

コマドリ達には知った事ではない。

 

雀程の小さな体に

大きな声。

英語の名前はRobinだなんて

なんと可愛い鳥だろう。

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枯れた除虫菊

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除虫菊

 

マーガレットの様な白い花。

陽の光を浴びた明るい姿が

蝶や蜜蜂を呼び寄せる。

 

風に揺れていた白い花。

気がつけば麻の茶色に。

これはこれでとてもいい風情だ。

 

葉は落ちて

すくっと立つ姿。

 

沢山刈って

ガラスの瓶に入れようか?

茎までが美しく

目を喜ばすはず。

 

駄目だよ

よそ様の庭先の花を刈るなんて。

たとえ枯れた花であっても

それはいけない事だ。

私が植えた黒すぐり

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黒すぐり

 

友達が「簡単だよ」と言うベリー類。

そのどれを植えても育たない。

 

ラズベリー、ブルーベリーは

いつまでたってもヒョロヒョロで

実でジャムを作るなんてとんでもない。

 

黒すぐりを植えたのは8年程前だ。

去年「少し大きくなったかな」と思った。

形のいい葉っぱ

丸い数珠玉みたいな実。

 

鳥の大好きな黒すぐりの実。

木にぐるりと網を張った。

網をまとった黒すぐりは

なんと無粋な姿なんだろう。

 

今年の黒すぐりは

去年よりもっと元気だ。

網を張るなんてもうよそう。

鳥が食べるそれもよし。

 

花が咲き 緑の実がなり

それが濃い紫になる。

葉っぱがやがて黄色に変わり

その移り変わりを楽しむだけの

黒すぐり。

又の名をブラックカラント。

野生の木いちご

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実をつけ始めた野生の木いちご。

 

赤い実をたわわに付けている木。

やっと実を付けた小さい木まで。

 

枝の中に手を入れると

「イテテッ!」

棘で痛い目にあわされる。

 

摘んで食べると軽い甘さ。

 

あちらこちらの桑の木も

黒く熟した実で重い。

 

野生の木いちご。

雪の中でよく眠り

春になって

葉を付け 枝を伸ばし 花を咲かし

初夏に熟した実をつける。

 

私が摘んでジャムにするより

鳥や鹿こそ食べるのがふさわしい。