さつま芋の蔓の佃煮

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トミコさんのさつま芋の蔓。

 

雨の昨日。

夕方にひたすら皮を剥いだ。

皮の無くなった淡い緑の茎を

ポキっと折っては

小さいブルーのプラスチックの洗濯桶に

ポイッと放り込む。

 

大きめの鍋に溢れる程の

翡翠色の茎。

グラグラと炊いていると

湯が灰汁で黒く変わる。

 

ざるの中のゆがいた茎。

 

鍋の中に茎と

砂糖、醤油、鷹の爪と水を入れ

ひたすら甘辛い汁が無くなり

量が半分になる迄煮詰める。

 

最後に少しの酢を加える。

 

人様に振る舞いたいと思う程の

料理好きではない。

 

灰汁で黒く染まった指先と

親指と人差し指の爪の間の痛みと汚れ。

 

さつま芋の茎煮も

誰かが作ってくれるのなら

とても嬉しい。

 

出来上がった茎煮を

小分けにしてジップロックの袋に入れる。

三つは冷凍庫に

一つはトミコさんに。

 

「こんなにようけくれるの〜?

一人やからちょっとでええよ」と

トミコさんはいつも言うのだ。 

 

夏布団の洗濯

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コンコンコンコンと

今日も一日キツツキは忙しそうだ。

 

私も忙しい。

夏に活躍した扇風機や

夏布団の洗濯。

 

早くやって来た秋。

 

小屋の中に居座っている

夏の名残。

何とも居心地が悪い。

 

頑張る洗濯機と私。

洗っては干す。

 

開け放した窓で

旗の様にたなびいていた

白い木綿のカーテン。

捨てようかなと思いつつ数年。

今年も又

洗濯をして畳んで箱にしまった。

 

面倒な作業

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トミコさんは

私の為に野菜を作ってるのでは?

と、思う程。

 

朝早く

電話をもらった。

 

ピンクの蔓穂の花の群れ。

そこを下るとサツマイモの畑だ。

茎を辛抱強く切り取り

そして

いよいよサツマイモ。

紅の芋が黒い土を纏って

ぼこぼこと出て来る。

 

濃い緑のカボチャ。

 

ズイキの茎を

スパッと鎌で切る。

裂いて干して保存する為に。

冬においしく炊いてみよう。

 

サツマイモの蔓は皮をはぎ

醤油と砂糖で甘辛く煮よう。

鷹の爪を忘れずに。

 

実に面倒な作業。

でも

トミコさんの好意を無駄にしたくない。

 

がんばるぞ。

うとうとと居眠り

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午後5時20分

 

丁度半分の白い月が

南の空に浮かぶとき。

 

ほっとさせる

ドアの上の外灯の黄色い光。

 

 

夜に

何ヶ月ぶりかで

ストーブに薪をくべた。

 

暖かくなった小屋の中。

テーブルに頬杖をついたまま

うとうとと居眠り。

 

熱かったお茶が冷たくなり

見ていたDVDが終わりに近い。

 

「さあさあ、もう寝よう」

布団の中で読む本が、又、楽しい。

 

「元気でね」

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秋明菊

 

小雨の降る

朝の9時に家を出て

午後の

空も雲も美しい琵琶湖岸を車を走らせ

帰って来たのが夕方の5時半。

 

チャックの小屋に泊まっている

スイス人のカミルが

メキシコ人のアルトゥーロとやって来た。

 

アルトゥーロが帰国する。

 

日本に来る前に

インド、ネパール、ベトナム、タイ、インドネシア

それぞれの土地に一ヶ月やら2ヶ月逗留した。

写真家のアルトゥーロの「商売道具」の

高いカメラをタイで盗られたり・・・とかの

それはそれは色々なエピソードを聞かせてもらった。

 

ここでは

「天の川を撮れた」

 

帰りはミラノに寄ってからメキシコに帰る。

 

一人旅は若い時でも年をとってからでも

いつでも出来る。

 

でも

一年近く家を離れる長い休暇は

やはり若い時のものだ。

 

半月程前に帰国した

アメリカ人のショーン。

そしてアルトゥーロに

マグカップをプレゼントだ。

 

山の中の小さな小屋でご飯を食べて

ワイワイと話した思い出に。

 

「元気でね」

もうすぐ10月なのだ

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午前7時

 

山の峰の向こうから顔を出す太陽。

八月の頃より

随分と南からのお出ましだ。

 

木の葉っぱや草の先の朝露の輝き。

もうすぐ10月なのだな。

 

日の出がもっと南に移ると冬が来る。

 

窓のカーテンを開けると

夜の間に降った雪で一面の白い世界。

 

嬉しい様な

しんどい様な・・・

そんな冬の始まりを思う。