フードコンピューター (The Food Computer)

 

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2011年

東日本大震災の跡地に立った

マサチューセッツ工科大学(MIT)のハーパーは

津波による農地の塩害と放射能汚染を

目の当たりに見た。

 

そして

ハーパーと彼の同僚は

自然環境に左右されない

コンピューターが環境をコントロールする

農業を開発した。

それがフードコンピューター(The Food Computer)

 

水耕栽培の一種で

根は空気にさらし、霧を吹きかけられ

成長を促進する。

 

栽培の全てを

コンピューターが指令を出す。

経験のない人でもプロの農民になれる。

 

差し迫った食料危機。

独創的な解決法に拍車がかかればと

ハーパーは望みをつなぐ。

 

と、言う記事を読んだ。

 

自然災害で電気が止まれば・・・

そんな疑問も頭をよぎるが

それよりも

青い光を浴びた野菜工場の中で育つ

菜っ葉や大根を思う。

 

蒸し暑い一日だった。

今日の夕焼けの雲は茜色だ。

 

 

「なんだ こりゃ」と私が呆れた

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アカモノの実

 

うちの前の道沿いに

アカモノの実が

ズラリ。

 

春には

可憐な鈴の様な花を咲かせ

夏には

珊瑚色の小さな実を付ける

アカモノ

 

 山の樹も花も

そして実も

今年は特別に元気だ。

 

7年程前に植え

大きくならず 実も付けず

「なんだ こりゃ」と私が呆れた

ブルーベリーとブラックベリー迄もが

5粒程のそれは立派な

実を付けた。

 

「頂きましょう、ありがたく」

牛乳を入れた紅茶と

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午前7時

 

山の向こうから

太陽が顔を出す迄の時間。

 

ひんやりとした空気と

葉っぱを濡らした夜露の跡。

 

窓もドアも開けて

冷たい空気を入れよう。

 

空を見上げれば

綿をほぐした様な雲だ。

 

牛乳を入れた紅茶と

バターとジャムを塗ったパンと

スライスしたチーズ

そして

ボウルに入れたヨーグルト

パラパラと

ブルーベリーを加える。

 

簡単な定番の朝食。

 

こんな風にして

一日が始まる。

平和な気持ち

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抜いても抜いても

終わる事がない

草抜き。

 

シジフォスか?

不条理世界か?

 

今日はここ

明日はあっち。

 

こんもりと積んだ草を

夕方になると焼くのが

日課の一つ。

 

杉や檜の枝で

勢いをつけて炎を出す。

その上に湿った草の固まり。

 

白い煙が

川筋に沿って

ゆっくりと流れて行く。

 

収穫の終わった田んぼや

畦道での白い煙。

訳もなく平和な気持ちになる。

 

「今日も終わったな」

午後7時でもまだ明るい。

マムシの心臓

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タイム (Thyme)

 

マムシの心臓を9回食べた」

と話すのは90歳のオチヨさん。

 

山の中へスタコラ入り

ワラビや栃の実を採る。

家族の朝食の準備をし

洗濯機を回し

その後午前中に

サツマイモの苗を200本植える。

 

マムシを捕まえて

ピッと裂き

心臓をパクっ。

だから元気なんだと。

 

79歳のタイチさん。

10代の頃マムシに噛まれた。

近所の鍼灸の名人のお爺に

木の葉っぱを足全体に貼ってもらい治った。

 

マムシは叩けばすぐに死ぬ」と言うのは

80は過ぎているエミさん。

頭をポンポン叩いた後ナタで切り

庭石の上に置いておく。

「とんびがすぐに持って行くで」だそうな。

 

村の診療所の32歳のやる気満々の男のお医者さん。

蜂に刺された時の

アナフィラキシーショックの話をしにやって来た。

 

村のかつての娘達が披露する

マムシの話、ヒルの話、スズメバチの話等々。

 

この村では現代医学を超える民間療法や東洋医学

まだまだ存在しているんですよ、先生。

 

ほら

周りを見渡しても

薬草だらけ。

 

緑に染まりそうだ

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毎日の雨。

 

私はもう緑に染まりそうだ。

手も足も背も伸びてはいないか?

 

雨に濡れた植物は

濃い緑だ。

 

背が高くなり

黄色の花を沢山つけたトマト。

青い実は赤くならない。

 

雨が降れば降る程

緑は繁る。

 

もう一度言おう。

「私は緑に染まりそうだ」

 

賞味期限日の栃餅

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餡入り栃餅と餡ころ栃餅

 

カワイさんは

栃餅で儲けて

まるで旅館の様な大きな家を

高台に建てた。

 

それは

山の中の田舎道から

よく見える。

 

この村で

昔から作り続けてきた栃餅を

2、3の道の駅に出している。

 

賞味期限が近づいた栃餅は

カワイさんが車で村の知り合いに

配って回る。

 

大きな餅で餡も自家製。

栃の実の渋を取るのは大変な作業だ。

パックに5個入りで500円。

何と良心的な価格だろう。

 

80前の

若き日の男前の面影を残した

山の中の栃餅屋。

 

所々錆びの出た

白の大きなバンで

山道を帰って行った。

 

「又のお越しをお待ちしています」