冷たい2月の最後の日

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川に流れ込む

雪解け水。

 

それらを集めて

流れて行く川。

 

ザーっと

大きな音がする。

 

暖かくなると

春の川は

ポコン、ポコンと

ユーモラスで軽やかな音を響かせて

それはまるで

音符が跳ねている様だ。

 

川面を

カワガラス

ビービーと鳴きながら弾丸飛行。

 

ピーヒョロヒョロと言う声で

見上げると

鳶が風にのって

大きな円を描く。

 

冷たい2月の最後の日。

急ぎ足で3月に走ろう。

後戻りをする日があるとしてもね。

 

しずく

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去年の秋の枯れた葉が

顔をだした。

 

雪が融けて

ポコっと窓の様に開いた後ろに。

 

ポトリポトリと落ちる

雪のしずく。

 

「顔を近づけて

じっと見つめるのは

あんたくらいだよ」

と、久しぶりに出会った

杉や欅やクヌギ

茶色の葉っぱ達が

私に言う。

 

「ああ、そうだね。

ほら、下手くそなウグイスが鳴いているだろ」

と、私。

清水(しょうず)

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清水(しょうず)

 

山肌から湧き出ている伏流水。

ここらでは「清水(しょうず)」と呼ぶそうだ。

 

アスファルトの道路が

いつも黒く光って濡れている。

 

山道に大きな水たまり。

そこには

ゼリーの様な蛙の卵達。

 

そんな所は

山の崖から清水が吹き出ている。

 

雨が降って

雪解けが少しずつ始まって

その水が地中に沁み込む。

 

やがて清水となり

軽やかな太鼓か

笛の様な音をたてながら

湧き出てくる。

 

冷たい清らかな清水の場所は

村のあちらこちらにある。

 

カラスかな?

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ん?

カラスの足跡?

 

なるほど

最後に足を揃えて

飛びたったんだね。

 

小雪が降る中を

歩いていると

ウグイスが頭上で鳴く。

まだまだ上手く鳴けない。

 

「がんばりなさい」

 

道路に薄く積もった雪の上

私の長靴の後が

長く続く。

雨と北風の日

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冬の紅ウツギ

 

ホームベーカリーで

パンを焼くのは

夫の役。

 

10年近く

途切れる事なく朝の食卓に

そのパンは出て来る。

 

そして今朝は

レーズン食パンだった。

 

ストーブで

こんがり焼いたパンに

バターを塗り

蜂蜜を塗り。

 

熱いミルクティーと

カスピ海ヨーグルトと共に。

 

こんな些細な事で

私は幸せになる。

 

今日は

ずっと雨で

強い北風の中

黄色の袋に詰め込んだゴミを

集積所まで運んだ。

 

クリスマスローズの鉢を

雪の中から掘り出した。

しっかりと固い蕾。

咲くかな?

 

何をするにも

雨に濡れた。

放射冷却の朝

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氷柱(つらら)

 

22日 

放射冷却の朝は

うちの屋根からも氷柱が

キラキラ キラキラ。

 

お陽様の光を受けると

水滴がポトリポトリと落ちる。

 

山の地中を流れている

伏流水も

大きな氷柱になった。

 

ポキッポキッと折って

グラスに入れ

ウィスキーを注いだら

どうだろう。

 

氷柱を見るたび

そう思うが

まだ試した事はない。

なんだかんだと言ってるうちに

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山の向こうは琵琶湖

 

今年の豪雪には

会う人皆が

ぼやく事、ぼやく事。

 

そして私は

背丈より高くなった

雪の壁の村から

京都や大津に出かける。

 

車でたったの50分。

 

ピカピカの光溢れる

別世界が広がる。

 

しかし

雪深い世界も

そんなに悪いものではない。

 

雪におおわれた

白い世界がこんなにも

美しいなんて。

 

その雪原を

黒っぽい羽を持った

ウグイスが二羽

嬉しそうに飛んだ!

そして

まだ上手くない声で

鳴いた!

 

セキレイ

ヤマガラ

シジュウカラも。

 

そして

熱々の鍋焼きうどんに

卵を落として

七味を振って

フーフーしながら

食べるのも。

 

なんだかんだと言ってるうちに

雪の間から蕗のとうが

顔を出すはずだ。