タイムと 伊藤比呂美

タイム

放っておけば どんどん草が伸びる6月。

その中に 小さな葉っぱ 鮮やかな緑のタイムの群れ。

20年ほど前に 知人の庭から一掴み引き抜いたのを

ここに引っ越す時にも 忘れずに持ってきた。

 

土が合ったのか 空気がいいのか

葉の色艶もご覧の通り。

今を盛りと咲き誇る コアジサイの香りにも負けない。

 

一掴み切り取り 木の椀に納め

テーブルの上に置くと 「小屋」の中に

タイムの強い香りが満ちる。

 

何かを包もうと思ったわけではないが

去年2023年の 古い毎日新聞をなんとなく開いた。

詩人 伊藤比呂美氏の記事。

最近読んだ本の作者二人 幸田文氏 伊勢英子氏の

積極的 意欲的な行動力と文体に 

少々疲れ気味だった私は

伊藤比呂美氏の ゆったりとした

語り口 内容に心が安らいだ。