(Google画像)
韓国映画「息もできない」のポスター写真を見た時、どこから見てもやくざ稼業でしか生きて行けない風貌の男優ヤン・イクチュンが、この映画の製作、監督、編集、主演をしたと言う事で興味を持った。
脚本をどこに持ち込んでも採用されず、家を売ったお金で自分で作った独立系映画。
余り期待もせずに見始めた。
殴り、殴られる映画だ。
高利貸しの取り立て屋がヤン・イクチュン扮するスンフンの仕事。
子供時代に父親の母親にたいする家庭内暴力を見て育つ。それが成人してからもトラウマとなりスンフンの心から離れない。
父親を殴り、取り立てに行って金を払わない人間を殴り、弟分を殴り、道ですれ違った女子高生を殴り・・・。スンフンの毎日は息もできない程苦しい。
そして殴った女子高生も、家庭内に自分の力ではどうする事も出来ない問題を抱えていた。
という所から始まるこの映画は、恋愛劇、心理劇、暴力映画でもある。
そして衝撃のラスト。
様々な国際映画祭で25以上もの賞までとってしまった、俳優としてのキャリアも長いヤン・イクチュン。
「こんなすごい映画を作ってしまって、これから先どうするの?」
私は心配している。
(Google画像:ヤン・イクチュン)
「韓国映画界のキラ星のごとく存在する才能がうらやましい」と日本の映画人は言う。
私の心を動かした韓国映画を、時々ここでお話して行きたいと思う。
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「息もできない(2010年製作)」はTSUTAYAで借りる事が出来ます。
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