ビーガンカレー ローストチキン そしてフェンネルの花

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昼過ぎ

網戸の向こうにチャックが立っていた。

タッパーウェアを二つ持って。

ビーガンカレーとチキンのロースト。

「すごくおいしいよ」

 

動物由来のものを使わないビーガン料理。

それはとてもわがままだ。

ミルクもバターさえも食べない。

 

取りあえず・・・ビーガンカレーは冷蔵庫に。

 

1センチ程に切ったローストチキンに

人参、戻した干し椎茸、小松菜を加えて

温かい一皿を作った。

 

もう一つ貰ったハーブ

フェンネルの花。

ハッカみたいな爽やかな香り。

 

水を入れた器に入れて

しばらく楽しみ

そして

何かの肉料理にパラパラと使おう。

山の中に住んで

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雲が南から北へ

形を変えながら

早足で過ぎてゆく。

 

速い 速い。

 

山の木が

強い風でうねる姿に

不安になる。

 

遠い昔

私達の祖先が

木や岩 山や海、火に

神を感じたのはこう云う事なのだろう。

 

山の中で

何かの視線を感じ

ふっと後ろを振り向いてしまう。

 

自然は私達を包み込む

優しいものでもあり

怖くもある存在だと

山の中に住んで知った。

次々と花を咲かせたビオラ

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春になり

雪が融けた後に植えた

オレンジ色のビオラ

 

他の花は消えたのに

黄色や薄紫のビオラ

次々と花を咲かせ続けた。

 

今日

川の水が茶色に変わる程の

豪雨が降った。

 

木の葉っぱに穴があくのじゃないか?

 

ビオラの花は

たっぷりの雨水を受けて

ふーっと一息。

 

そして

「そろそろ退場いたしましょうか?」

と、私に尋ねた。

勝てばの話・・・

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スポーツには関心がないが

夫につられて深夜のサッカーを

連夜見てしまった。

 

お年がお年なので

どうぞお疲れの出ません様にと

親切に言ってくれる人もいる。

 

ポーランド戦での監督の采配を

云々言う人達がいるが

次の試合で勝てば官軍だ。

勝てばの話・・・

 

熱い紅茶を飲み

今日はもう寝ましょうかね。

 

外は雨。

狐は来ているのか?

まだなのか?

黒すぐりジャム

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黒すぐ という名前の響きが気に入り

小さな苗を植えた。

 

あれから数年。

今年は葉がふさふさと繁った。

 

紫の実は眺めるだけでよし

鳥のおやつにでもなればいい。

そう思っていたら

鳥は私にそこそこの実を残してくれた。

 

 

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琺瑯のミルクパンに

黒すぐりの実とたっぷりの砂糖。

中火でしばらく煮ると

細かい泡の様な灰汁が出る。

 

時々スプーンでかき混ぜ

とろみを感じたら火を止める。

 

白い鍋はだに深紅の跡。

 

普通サイズのガラス瓶で

2個の美しいジャムが出来上がった。

 

スライスした自家製のパンドカンパーニュ。

温める程度に焼き

バターと黒すぐりジャムを載せる。

 

実に美味い。

元気に逞しく生き延びておくれ

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めったにお目にかかれない動物。

 

狐と兎。

 

もう何年も前

薄暗くなった夕方。

私が運転する車の前を

子犬かと思われる動物が

とことこ走る。

 

ヘッドライトを消し

ゆっくりと後を追う。

その小さな動物は

ピョンと石垣に飛び乗り

頭をこちらに向けて私を見た。

子ギツネだ!

 

ラディッシュの種を花壇に蒔いた。

柔らかそうに出揃った葉っぱ

と、思っていたら何かが食べる。

 

それを何回か繰り返していたある日

カフェオレみたいな色をした兎が

大きな耳を立てて

道の真ん中にちょこんと座り

なにやら考え込んでいた。

「おやおや、犯人はあんたなんだね」

 

それ以来

兎には出会えていない。

深い山の中でどうしているの?

 

土に埋めた生ゴミ

深夜の決まった時間に掘り返しに来る狐。

「大したものを埋めてなくてごめん」

 

逞しい動物達

元気に生き延びておくれ。

夜も面白い山の暮らし

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会う人が必ず言う

「今日は暑いねぇ」

 

暑い日中が過ぎて

月が山の向こうから

顔を出す時間

空気が冷えて

とても気持ちがいい。

 

朝 カーテンを開けると

外は厚い霧だった。

何も見えない白い空間も

太陽の光が射すと

スッと消えてしまう。

 

冷たい霧の朝。

緑が輝く早や夏が来たのか

と、勘違いしそうは昼間。

太陽が山陰に姿を隠す涼しい夕べ。

薄い雲の向こうに見える

大きな月。

 

深夜にうちの前を

自慢の大きな尻尾を揺らし

忙しそうに橋を走って行く狐。

 

山の中の狭い谷筋での暮らしは

夜も面白い。