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ポスターを見ただけで、その映画の質が分かる。
日本人女性監督佐々木芽生(Sasaki Megumi)製作監督のドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」
4年前、ワクワクとして映画館に足を運んだ。
ニューヨーク市郵便局の郵便仕分けの仕事を定年まで続けたハーブ。
図書館司書を最 後まで勤め上げたドロシー。
ニューヨークの1LDKのアパートに猫や亀達と住み、何十年も好きなアートを買い集め、それらに囲まれて生活する夫婦。
買い求 める時の基準はいたって簡単。
作品はミニマルアートとコンセプチュアルアートに限り、部屋に飾れる大きさ。勿論自分達の財布に合う価格。
そうやってコレク ションした作品がベッドの下から、床、クローゼットの隙間、上まで脚の踏み場もない程狭いアパートに溢れている。
買い集めた時は無名の作家達の作品は、今 や美術館に並ぶまでになった。
ハーブの兄夫婦は言う。「あのコレクションの中の二つ、三つを売れば大きな家に住め、もっと快適な生活が出来るのに」と。
この膨大なコレクションを、二人はワシントンのナショナルギャラリーに全部寄贈した。
その作品群は最も大きなコンテナトラックで5台。
運送業者もナショナルギャラリー も驚いた。
そして、ナショナルギャラリーは「ほんの少しのお礼」をハーブとドロシーに渡した。
「これで新しいソファーや家具を買い、快適に暮らしても らえれば」と。
そして、スッキリとした部屋の壁に、そのお金で買った新しい作品が又掛けられた。
「豊かさ」についての定義は人それぞれだ。
お金が豊かさの基準と思う人が多い中で、贅沢ではないが、好きな物に囲まれてのハーブとドロシーの生活は、頑固さと共に余裕も感じられる。
幸せな人生だと思う。
(Google画像)
(ナショナルギャラリーは玄関に大きなプレートを張り、そこに二人への感謝の気持ちを彫った)
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文中の「ハーブ&ドロシー」のブルー部分をクリックすると予告編にリンクします。