枯れた松葉 白い山茶花の花びらが
雨あがりの苔の上に ふわりと在る。
拾った松葉と花びらを
私が苔の上に載せたのではない。
あたり一面に散っている松葉と花びら。
その一画を 選んで撮っただけだ。
ふわりとした苔に座り
白い山茶花の花びらで 露を飲み
松葉のスティックで 冬苺をつまむ。
そんな小人を思い浮かべる
自分が可笑しいな。
山の紅葉の最後の輝き
雨あがりの湿った冷気。
灰色の空の下で 見つけた
少し傷ついた白い花びらと
枯れた松葉の清々しさを愛でよう。