去年 「古事記」に沿って書かれた
池澤夏樹著「ワカタケル」を読んだ。
主人公は いい事も 悪い事もいっぱいした雄略天皇。
その中に出てきたのが 一言主だ。
福井小浜市に行く時 道路脇に大きな案内が立っている。
「一言神社」
昨日 小浜に行った帰り道
雨も降り 風も吹く寒い日だったが寄ってみた。
『460年(雄略天皇4年)、雄略天皇が葛城山へ鹿狩りに行った時、天皇一行と全く同じ恰好の一行が向かいの尾根を歩いているのを見附けた。
雄略天皇が名を問うと「吾は悪事も一言、善事も一言、言い離つ神。葛城の一言主の大神なり」と答えた。
天皇は恐れ入り、弓や矢のほか、官吏たちの着ている衣服を脱がさせて一言主神に差し上げた。
(wikipedia 抜粋)
一言主は 社を建ててはならぬと言った。
それを確かめようと長い階段を登る。
登り切ったところにあったのは
社はなく 白い紙の御幣だった。
「つまらぬ事で心を波だてるな
家などいらぬ 物は持つな」
そう言っているかの様な質素な神の居場所。
雨に濡れた石の階段を
そろりそろりと滑らぬ様にと降りた。
神社は山際に沿った美しい集落と広い田圃の中にある。
傘が反るほどの強い風に 早々に車に乗った。
いつも車の中から「一言神社」の案内を見るたび
気になっていた。
こんな所だったのだ。
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一言主神社はあちらこちらにあります。