樹の顔

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教えてもらった訳ではない。

 

木肌、割られた木目、色

風化した姿。

 

いつの間にか

これは何の木だと分かる様になった。

 

桜は割ると薄い紅色。

甘い匂いがして

「ああ、小学校の時の木琴の木だ」と

木琴の音色までも思い出す。

 

栗は風化すると特徴が出る。

固くて強い。

細長く形を整え穴を開け

竿を通して稲を干す。

線路の枕木にもなる。

共に昔の話だ。

 

合歓の木。

割るとオフホワイトと薄青い肌。

葉っぱは水につけると泡が出る。

洗濯にも使った。

これも昔。

 

柿は薪で燃やすと

それは香ばしい香りが立つ。

 

檜も爽やかな香り。

 

胡桃、紅葉、楢、欅、栃・・・

 

薪としては楢が一番と言われる。

 

欅は固くて火持ちがとてもいい。

上等の薪だ。

 

あ、そうそう、忘れていたね。

「山が暗くなった

花粉症だ

動物のえさの木を無くしてしまった」

と、評判の悪い杉。

 

ちやほやと褒めそやされた時もあったんだ。

今は雌伏の時だ。

又、日の目を見る時もあるよ。

 

憂鬱そうな顔をした杉を見上げて慰める。