「今年のは色が悪いよ」
と、トミ子さんが言う
トミ子さんのしば漬。
ザクザクと切った
茄子、素麺カボチャ、ミョウガ、赤紫蘇。
塩だけで樽に漬ける。
味付けは「時間」の魔術、醗酵。
これが本物のしば漬。
漬物屋のしば漬は
醗酵をさせず
酸味料、調味料を使う別物だ。
ポリ袋で二つ。
重たい程のしば漬を貰った。
まな板の上に
ひと掴みのいい香りのしば漬。
出刃包丁でトントン、トントン。
白の小鉢に溢れる程の
刻みしば漬。
残りは12個に小分けして冷凍庫へ。
刻んでも、素麺カボチャはコリコリと。
醤油をたらしても、鰹節を振りかけても
どうぞお好みで。
ご飯がすすむ。
熱いご飯にしば漬を乗せて
大きな口を開けて。
「ああ、おいしい」
いくらでも食べられる。
大丈夫ですよ
今日だけだから。