樹齢200年から300年の大きな栃の木が
チェーンソーで切られて
ヘリコプターで下まで降ろされ
トラックで木材の市まで運ばれる。
そして
高級マンションの床やカウンターの天板になる。
深い山の中で
何百年もかかって大きくなった栃の木。
あまりの乱伐に
自然保護活動家や
京都大学の林学の教授達が
反対の声を上げた。
メディアもこの問題を取り上げ
市も伐採禁止を業者に言い渡した。
栃の木が生えている山の地主は
なんとも納得がいかない。
「自分の山の木を自由に売られんとは
なんという事や。
不思議な世の中になったもんや」
と、憤懣やるかたない。
林業を生業とし
木がお金に換わる生活をしている
村の年長の人達に
生態系だの自然保護だのと言っても
理解してもらえない。
私の住んでいる所からは
伐採業者は消えたが
岐阜に場所を変え
栃を伐っているという話を聞いた。
2010年の事だ。