餅花

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  (村の家のおくどさん

 

   村の人は

   しなる枝に

   つきたて餅を

   花の様につける。

 

   それを

   おくどさんに供えて

   正月を迎える。

 

   雪に囲まれた数ヶ月

   この餅花を見て

   春を待った。

 

   鴬が初めて鳴いた日に

   この小さな餅を食べる。

   村人達のあの顔、この顔

   嬉しそうな顔が浮かぶ。

 

   今

   何軒の家のおくどさん

   この餅花が供えられているのだろう。

 

   こんな伝統や風習も

   無くなる時は一気だ。

 

   街から引っ越して来た私は

    黙って、冷静に

   それを見ているだけだ。