2年前の台風18号で、私の家の裏が、豪雨で増水した川にえぐられて崩落した。
朝起きて表に出た時、何か風景がいつもと違う。
物干がない、薪小屋がない、野菜畑がない、木がない・・・
家まで、15センチを残しただけで、幅50mに渡ってガッポリと地面がなくなっていた。
足が震えた。
心が音をたてて崩れるとはこういう感じをいうのかと思った。
台風は去ったのに空は灰色で、あの時の空気感を忘れる事は出来ない。
激甚災害に指定されて、地域で一番最初に護岸工事が始まった。
しっかりした護岸が去年の初夏に出来上がったのに、トラウマからまだ抜けきれていない。
琵琶湖と空の青い世界の中を、白い帆のヨットと雲が流れて行く。
友達とお茶を飲みながら、こんな穏やかな風景の遥か北、東北の豪雨災害を思う。
私が感じた何とも表現のしようがない、空気感。
空しさとも、絶望とも、悲しさとも違う。
同じ様な感覚を、今、泥にまみれた世界で、災害にあわれた方達は感じておられるかもしれない。
慰める事などとても出来ないが、灰色の空から、明るい太陽が輝く空に変わった時に、体にも心にもエネルギーが沸いて来たと言う事は、お伝えしたいと思う。