冬の合歓の木

合歓の木 細い枝に 沢山の莢が連なっている。 夏の陽を浴びて 絹糸のような花が咲く 合歓の木の 花の数だけの莢だ。 鳥達は 莢の中の豆を食べないのか? 下に落ちた莢を裂くと 現れるのは 美しく並んだ 薄茶色の美味しそうな豆。 色の少ない冬の景色の中 ふ…

昨日は立春

5日 午後5時 天気予報通り 朝から晩まで雪が降り続く。 でも ちらほら ちらほらと降る雪は 白い花びらの様だ。 屋根から落ちる雪の滴が 指くらいの細い氷柱になり 並んでいる。 空気は冷たく 顔に当たる風は心地良い。 短い時間に 雪が止み 青空が見え ふ…

深夜の雨

15日午後4時半 深夜に雨が降り始めた。 朝 目が覚めると 雪が降っているかも知れない。 二日前の夕方の空。 南の空に浮かんだ雲が 淡いバラ色に染まっていた。 私の大好きな こんな雲の表情。 明日からしばらく 灰色の日が続くはず。 この 心躍った夕空を…

月の宵

夕方5時半 タイチさんの家を出たのが 夕方の5時半過ぎ。 暗い道を 食パンと豆大福の入った袋を持ち 200メートルも離れていない うちの小屋まで歩く。 タイチさんの奥さんは 私が帰り際に 必ず何かのお土産を持たす。 今日は食パンと豆大福。 すでに暗い…

夕暮れ

1日に何度か見上げる空。 重くのしかかる雨の日 風の強い 雲が走り去るような日 心が下向きになる。 夕方の 薄い雲の向こうに 白く輝く月は半月。 忙しなかった今日も 穏やかな空を見上げて やれやれだ。 湿った木を燃やす 焚き火の煙が谷筋に漂う。 人の気…

輝く金星

金星 日が暮れて 焚き火をしながら 外の用事を続けた。 キンと冷えた夜気の中 火の暖かさと灯りが嬉しい。 南の空には金星が明るく光る。 黒い杉の木の上に光る星。 ゴッホの星と糸杉みたいだ。 薄く靄のかかった黒い空。 砂を撒いた様に光るいつもの星は 今…

深く息を吸う

夜の間に雪が降り 朝には ポタポタと雫となって落ちた。 葉の落ちてしまった枝の向こうに 透けて見える空。 その空は青く 広がる雲は白い。 吹く風は 冷たく顔にあたり 景色も 空気も 清らかな冬の色になった。 深く息を吸う。 冷たい空気が 体の隅々にまで …

灰色の鯨みたいな雲

17日 午後5時ごろ 灰色の鯨みたいな雲が三つ 走る車についてくる。 刈り取られた稲田の上に 広がる空は 大きく広く 雲は「さあ 走ろう」と私に言う。 夕方の暗くなる前の風景の その中を走る車と競うように 横に 前に現れる雲。 「早く 山の小屋に帰らない…

今日は青空

窓を開けると 朝の冷気が入り込む。 半袖のTシャツでは落ち着かない。 フランネルのシャツを重ねた。 小さな小屋の大きな窓は 花粉や綿毛 枯れた木の葉の 夏の置き土産で 随分汚れた。 薄い木綿のカーテンはくたびれて そこを透る朝の光は穏やかだ。 静かな…

週に一度の買い物

10月2日 夕方5時過ぎ 買い物に出かける。 「小屋」から琵琶湖岸にあるスーパーまで 車で片道50分。 ほとんど信号のない道を 山 畑 稲田の季節を感じながらのドライブだ。 週一回の買い物で 同じエリアにある3軒の店を回る。 生鮮食品は大手のスーパー…

輝かしい朝

9月27日 朝 太陽が 山の後ろから顔を出すと 数メートル先を隠す霧が 一気に消えてしまう。 そして 霧の置き土産の たっぷりの夜露が 色の変わり始めた葉っぱの先から ぽたりぽたりと 滴り落ち 足元の草は 靴の先を濡らす。 輝く緑 川のせせらぎ 道を走り…

もう一つの世界

ザーザーと 怖い様な音を立てて 通り過ぎた夜の雨。 そして 灰色の空に 少しの青空が見える今朝。 小屋の側の白い鉢に たっぷり溜まった雨水は 数枚の枯葉を沈めて 波立つ事もせずに静かなもの。 溜まった雨水に映るのは 灰色の空でも 緑の葉っぱでもない 色…

春の兆し

なんと美しい夕方だ。 空には 半月が浮かび それを 淡いピンクの雲が覆う。 そして その雲が ゆっくりと山を越えて行く。 黒文字の木に いつの間にか 花芽がついて 今にも弾けてしまわんばかり。 冷たい風は まだ吹き荒ぶが 昨日 今年初めてのツクシを見た。…

空を見上げて

午後4時半(ミッドタウンにて) 夕方 買い物に出かける途中 「ミッドタウン」のローソンで ホットココアを買った。 寒くて 冷たくて 風の強い今日 神々しく輝きながら 沈む太陽を見ながら 熱いココアで 一息入れた。 「ミッドタウン」から車で20分のスー…

走る 白い雲達

おい おい 何をそんなに慌てて 青い空を 流れて行くの? まるで子犬が戯れ合うように 形を変えて走る 小さな雲達。 雪を被った林や山は そこからどんな風に見えるの。 小さな赤いトタン屋根の 私を雨や風 雪から守る小屋。 煙突から立ち昇る煙が見えるかな?…

いつもの散歩で思った事

今日も昼間に 雨が降った。 毎日 同じように時が過ぎ いつもの様に 動き 考え 特に 変わった事もない。 新コロナで 私は外出する事に臆病になった。 そして 仕方がないのに 心が文句を言っている。 カバンにお菓子とお茶を入れ JRの在来線の電車に乗り 窓の…

凍った一日

温泉に行く途中 九日。 仕事場の花瓶の水が カチンカチンに凍った。 花瓶の花は 氷に捕まり びくともしない。 表のバケツの水も凍った。 バスタブの蛇口から 湯が出ない。 シンクの蛇口からは 温かい湯が出るのに。 辺りは凍ってしまった。 「温泉に行こう」…

私が撮った雲

まるで かけっこをしているみたいだ。 丸々とした かわいい雲が 青い空を流れて行く。 ズボンのポケットから 慌ててスマホを取り出し 素早く シャッターボタンを押した。 あっという間に 姿を変える雲。 かわいい雲から 逞しい雲に。 手を伸ばし まるで泳い…

自然は見飽きる事がない

6日 午後2時半 山陰に 太陽が隠れる時の 山並みの 淡いグラデーションが美しい。 空は輝いて 雲は東に流れて行く。 広葉樹の色づきが 急に進んだ ここ2、3日。 カラリとした空気と透明感のある世界だ。 山や空 自然は毎日見ているのに 見飽きるという事が…

写真の中の景色

見慣れたいつもの景色。 スマホのカメラを通すと 違って見える。 ほら 今見ている山肌を 姿を変えながら 朝霧が駆け上がる。 稜線の黒い木の影が 薄くなったり 隠れたりする。 淡い雲におおわれた空。 電線 電話線 光ファイバーが 空間を切り取る。 パソコン…

蓬莱山と雲と(2)

12日 午後5時 蓬莱山の上を流れる雲が 余りに美しく 車を止め写真を数枚撮った。 前を見ると 雲がわずかに 赤みを帯びて来た。 夕焼けがそこまで来ている。 道路脇の桜並木は 落葉が始まった。 東から 西に真っ直ぐ伸びた道。 道の向こうから現れた車のヘ…

蓬莱山と雲と

12日 午後5時の蓬莱山 買い物からの帰り道。 車から見る蓬莱山の 穏やかで美しい姿。 なだらかな山の裾野は 琵琶湖に続き 日が暮れると ロープウェイの明かりが 下から上へと続いている。 それは 暗闇の中で 遠くに見える 心休まる明かりだ。 車で出かけ…

松ぼっくり ドングリ

樫のドングリ 秋を探して 歩いている訳ではない。 山の中に住んでいると あちらこちらから 「こちらですよ」と 声をかけてくるのだ。 まだ青い 樫のドングリ。 硬くて ギザギザの葉に守られて。 クヌギのドングリは もうすでに 綺麗な茶色になって 下に落ち…

大胆な季節の移行

今年の季節の変わり目は 実に大胆だ。 緩やかに 次の季節に移行するのではない。 春から 突然梅雨の長雨が続き 「ああ もう雨は沢山だ」と思ったら 夏の異常な暑さに 体も心も疲弊した。 そして 今度は突然の秋だ。 例年になく 使い続けた扇風機の 羽につい…

ホッと一息

7日 午後5時 台風余波の強い風が 消えたのが 夕方4時ごろ。 雨の間に垣間見えた 深い青色の空に 走る様な流れる雲。 ホッと一息ついた。 NHKFM「夜のプレイリスト」 ジャズギタリスト 小沼ようすけが選んだ ジョージ・ベンソンの「ブリージン」 それを深…

ほんのひと時の 穏やかな夕暮れ

午後6時 夕方4時ごろ 激しく吹いていた南風が パタリと止んだ。 息苦しいくらいの湿気。 時折降ってくる雨。 そして 西から東へと 勇壮な様で流れ行く雲の群れ。 美しい。 トンビがピーヒョロと鳴いている。 高い空をゆっくりと旋回しながら。 台風が去り …

気持ちのいい雨だった

午後6時 久しぶりのいい雨だった。 朝 目覚めた頃から 夕方まで。 シャワーの様な 気持ちのいい雨。 元気なく 下を向いたり 枯れかけていた 草花や 色褪せていた 木の葉。 たっぷりの雨に洗われ 「おう すっきりした」 と 喜びの声。 雨の止んだ夕方に 山を…

久しぶりの飛行機雲

20日 午後6時 東の空から 西の空に 真っ直ぐ走る 飛行機雲。 どこから飛び立ち どこへ行くのかは知らない。 山の中の 狭い空を 飛行機が 白い雲を描きながら飛ぶのを 私は毎日何回も 下から眺めていたものだ。 今日 久しぶりに 飛行機雲を従えて たった一…

スマートフォンで撮る

外出の時は鞄の中に 家にいる時はズボンのポケットに スマホはいつも私と共にある。 毎日のウォーキングで ふと 目に止まった花や風景。 日々の暮しの中での 小さな感動や 見上げた美しい空も。 ズボンのポケットから取り出し カシャリと撮る。 空の写真は …

淡いピンクと灰色の雲

山の中の 川筋に沿って村がある。 そんな所に住んでいる。 空が狭い所だ。 降る様な星空も 月の移行も 雲の流れも その狭い空に描かれる。 梅雨の強い雨の合間の ほっと出来た日だった。 遅い日暮れに ドアを開けて表に出ると 北西の空に 淡いピンクと灰色の…