2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の始まりの静止画

午後7時 日暮れ時の 雲ひとつない西の空。 山の黒い木々の上に 浮かんだ 半分の白い月。 風も止んで 見上げた空の 夜の始まりの静止画。 私が小屋の中に入った後も その白い光で輝き 地上を照らし続ける月。 とても静かで 平和な夜だ。

スノードロップ(マツユキソウ)

スノードロップ(待雪草:マツユキソウ) 蕨を摘んでいなかったら 出会わなかった 白いベルの形をした スノードロップ。 川の側の 枯れた羊歯の間から 頼りなげに 細い茎を伸ばし ゆらりゆらりと揺れていた。 沢山の花を付けた 満開の八重桜の下。 無垢で謙…

小さな羊歯(シダ)

羊歯や苔は 原始を思わせる植物である。 少なくとも 私にとっては。 人間がまだこの地球に存在しない大昔 湿気の多い土地に 苔は産(む)していたであろうし 羊歯は巨大な葉っぱを 大きく広げていたであろう。 人類の祖先である 不思議な形をした鳥が 大きな…

瑞々しい葉と花と

今年の様に寒い春でも ちゃんと芽を出し 花をつけて咲く。 手入れもしない土の スギナが密生する そんな所にだ。 トミコさんの家の周りから 引き抜いてきた花も 赤と黄色の可愛い姿で 少しづつ株を増やしながら 毎年咲いてくれる。 強い南風と冷たい雨が上が…

夕方になって雨が上がった

午後5時 夕方になってやっと雨が上がった。 霙まじりの雨が冷たかった。 ドアを開け 表に出て 見上げると 明るく広がる青空 木の枝に 連なる雨の滴 木の柔らかい葉っぱの芽吹き これこそが春の姿だ。 山肌に沿って駆け上がる 白い山霧の動き。 冷たい空気が…

チリ産のぶどう

チリのぶどうがスーパーに並ぶ。 日本のぶどうと姿が違う。 南米の細長い国に育った。 チリの芳醇で濃密な香りのワインは これらのぶどうから作られるのだろう。 私が知っているチリは ぶどうとワインと「サンチャゴに雨が降る」だけだ。 そして スペイン語…

蕨のナムル

蕨(ワラビ) 旬の山菜を その時に 一度か二度は 食べたいと思っている。 沢山摘んで 保存食にするまでは考えない。 蕗の薹が終われば 蕨。 枯れた羊歯の中から グーをして現れる。 昼過ぎに 手のひらに載るだけを摘んだ。 洗った蕨を ホウロウのバットに入…

テーブルの上 小さな明るい世界

昨夜の強い風に 小屋の周りに咲き始めた水仙が 折れたり 切れたりした。 アイボリー色の 花びらには土が付いていた。 これは惨めだ と 手折り グラスに挿し テーブルの上に置いた。 縦長の木のテーブルの上 小さな明るい世界。 それは 分厚いメキシコの グラ…

チャックの作る緑色のペースト

うちの集落で 有機野菜を栽培している アメリカ人のチャック。 京都時代からの長い付き合いだ。 私がここに引っ越す前から うちの小屋の横にテントを張り キャンプを楽しんでいた。 静かな山の中の限界集落。 ここをいたく気に入った様だ。 今ではここに畑を…

鍋と薪の火の力を借りる料理

4月も後半に入った。 山の中の村に住む私は まだ 朝晩 ストーブに薪を放り込み 暖かい小屋で暮らしている。 外の霙まじりの雨と強い北風も この小さな小屋の中までは入り込まない。 ストーブを使っている間は その上に鍋やフライパンを載せて 野菜を煮たり …

春という季節

4月17日 「白い辛夷の花が咲いた」 と 喜んでいたが 今年は あっという間に その時を 逸してしまった。 白い辛夷と 淡いピンクの山桜が 同時に咲く年もある。 今日 出会えた 山を彩る 春の木々。 車を止めて 見上げる 霞か 黄砂か ぼんやりとした空。 厳…

忘れな草

忘れな草 95歳、現役の農婦オチヨさんの蔵の周り。 見事に咲き誇っていた忘れな草。 それを 一掴み引き抜き うちの小屋の前に移植した。 1年前の事だ。 ヒョロヒョロと頼りなく 挙げ句の果てに うっかり者の私に刈られてしまった。 青い星の様な花が 溢れる…

黄色い花のナムル

蕪の黄色い花房と さっと湯を回しかけた香り高い三つ葉。 白の小鉢に治まる。 麺つゆに酢とチリペッパー そして ごま油。 スプーンでクルクルと混ぜ花にかけた。 花ナムル。 去年の暮れに沢山貰った蕪。 へたを植えたら 花が咲き 切り取って 花器に生けても …

「美しい 春だなぁ」

大津市伊香立 「美しい・・・春だなぁ」 車の窓から見た 桜と青い矢車草 そして 黄色のアブラナ科の花。 薄暮の雨の中 私の心を捕まえた 穏やかで平和な風景。 山並み 村落 道の傾斜 このバランスの良い風景は いつ見ても心惹かれる。 今日 溜めてあった用事…

桜の花がやっと咲いた

山には辛夷(こぶし)が満開。 まだ 木の葉のつかない木々の山の中で 白い辛夷の花があちらにも こちらにも。 遠くから見ると曇った様に見える 嬉しくなる春の花だ。 そして 桜の花がやっと咲いた。 しっかりと萼についている 淡いピンクの花びら。 その花達…

帰って来た杉 檜

カンナをかければ 立派な建築材として もう一度使える杉や檜の廃材が 2トンのダンプで 時々 うちに運ばれてくる。 それに残された釘は 四角の古い手作りだ。 釘抜きで丁寧に抜き 「取っておこう」 大きく古い家の面影を残す 渋い色の丹を塗った柱や梁。 よ…

「独居老人スタイル」都築響一著

「独居老人スタイル」 都築響一著 筑摩書房 眼光鋭くこちらを見つめる人 多分 ゴッホだろう。 この表紙とタイトルに惹かれ 図書館から借りて読んだ。 「東京スタイル」で名を馳せた 都築響一の ゆったりとした取材で 興味深い16人の人生が語られる。 アー…

赤蕪 白蕪の黄色の花

大根や蕪を切った残りのヘタ を 土に埋めたのが 雪のない時だった。 それが 葉を付け その葉を摘み 味噌汁の具にしたりした。 今 小屋の周りの あちらこちらに 黄色の菜の花みたいな花が ゆらりゆらりと群れて揺れている。 綺麗な赤い色の蕪を 酢漬けにした…

やっと咲いた藪椿

ヤブツバキ やっと咲いた 藪椿。 鎮座するお地蔵さんを守る様に 枝を大きく広げる 太い幹の立派な木。 紅色に黄色のシベ。 数えきれない蕾の中で たった二つの椿の花。 満開になれば 怖い様な迫力で 見上げる私を覆う。 艶のある緑の葉は 風でゆさゆさと 大…

木苺の花

ナガバモミジイチゴ 木苺には沢山の種類がある。 小屋の近くにも 数種類の木苺が 毎年 実をつける。 今年もいつもの所に 白い花を咲かせていた ナガバモミジイチゴ。 たった 4個の清楚な花。 これから もっともっと咲くはず。 やがて 黄色の実がつく。 小ぶ…

淡い水彩絵の具で描きたい風景

気持ちの良い昼下がり。 首に毛糸のマフラーを巻いて 毎日のウォーキング。 空を見上げれば これ以上の美しさはない と思う程の 青い空 白い雲。 強い北風に乗って 雲が北から南へ。 鳶が大きく旋回し 馴染みのある鳴き声を響かせる。 ピーヒョロ。 鴨が二羽…

今日のミヤマカタバミ

4月3日 昨日 雨に濡れて うなだれていた ミヤマカタバミ。 今日の 明るい光の下 5枚の花びらを広げて こちらを見ていた。 元気で 可愛い白い花。 この姿を見ていただいて 今日は これで。

うなだれているミヤマカタバミ

ミヤマカタバミ 夕方まで降り続いた雨に打たれて うなだれている。 透けるような 薄い花びらの ミヤマカタバミ。 すぼんだ白い花びらから 雨の滴が落ちる。 瑞々しい 苔の中から 伸び出た 細い茎。 明るい原っぱや 山道には咲かず 林の薄暗い所に 群れて咲く…

些細な幸せを喜ぶ

コアジサイの若芽 緑の葉の枝と 枯れたコアジサイを 山から切って帰り それを花器に挿したのは 花のない2月の終わり。 そのコアジサイの枝から 若い芽がひょっこり顔を出した。 1ヶ月の間 知らぬ顔をし 何を思って この時を待っていたの? 今日も冷たい雨…

一年に一度の旬のおかず

寒い 寒いと言ってるのは 私だけなのだろうか? 知らない間に 顔を出した春の使者 ツクシ。 淡いベージュの 端正な面持ち。 若者か老人か どちらにも見える 年齢不詳の風采。 左の手のひらに 掴めるだけ摘んだ。 サッと洗ったツクシの ハカマを取り 指で二つ…