忍冬(スイカズラ)

忍冬(すいかずら

忍冬と書いてスイカズラと読む。

クリーム色の細長い花びら 長いしべ。

 

春の終わりに柵を直し

その時に仕方なく切り取ったが 根は残した。

そして今

蔓が伸び 美しい姿が風に揺れる。

 

花は甘い蜜を持ち 葉と共に食用に 薬に。

染料としても 布を染める。

 

ひと雨ごとに 周りの緑は濃さを増し

野鳥たちの 軽やかな鳴き声が行き交う。

 

標高450mあたりのこの地は

朝晩の寒さがまだ続き

未だに 長袖やフリースを羽織る日々だ。

「ブックセラーズ・ダイアリー」 ショーン・バイセル著  矢倉尚子訳 白水社刊

スコットランド最大の古書店の一年」

 

イギリス スコットランドの小さな町ウィグタウン。

著者のショーン・バイセルが ブラリと立ち寄った

古書店「The Book Shop」。

30歳のバイセルが、当店の主から

「この店を買わないか?」

と 持ちかけられ 「そんな金はない」と答えた。

店主は言った。

「金なんていらないさ 銀行は何の為にあると思う?」

 

それから1ヶ月後 

2001年のバイセルの31歳の誕生日

この店は彼のものになった。

 

バイセルが子供の頃

ウィグタウンは美しい風土の活気のある町だった。

経済を担っていた 乳製品製造所とウィスキー蒸溜所が

1989年、1993年に相次いで廃業。

街はすっかり寂れてしまった。

 

 

Google 画像より

それから20年。

「ザ・ブックショプ」は10万冊の在庫を持つ

スコットランド最大の古書店になった。

「本の町」として知られる様になったウィグタウン。

世界中から本を愛する人たちが訪れる。

Google画像より The Book Shop

 

2014年2月から1年間の記録。

変人 奇人の 客や従業員 

立ちはだかる巨大ネット書店アマゾン 

電子書籍の波が 個人古書店に襲い掛かる。

私はバイセルの一年を 見続けた様な錯覚を起こす。

 

矢倉尚子さんの翻訳がとても自然でいい。

私は図書館で借りて読んだ。

 

「ブックセラーズ・ダイアリー」は

『楽園に刻まれた愛の詩』松崎豊・ゆた(id:SHADE)さんの

ブログで知りました。

ゆたさん、ありがとうございました。

 

www.hakusuisha.co.jp

Amazon.co.jp - ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年 | ショーン・バイセル, 矢倉 尚子 |本 | 通販

 

ワイルドフラワー 青い花

 

北風が強い1日だった。

窓から見える 山の木が北から南へうねる。

小屋の北側のドアが バタンと大きな音で閉まる。

気をつけないと 指を挟んで怪我をする。

 

春に ホームセンターで

アメリカのワイルドフラワーの種を買った。

春に蒔き 芽を出し 

伸びてきたのは つい最近の事。

細い茎が 北風で倒れ 

立ち直れないかと思ったが

大丈夫 こんなに元気だと

目の覚めるような青い花が咲いた。

 

日本の草花の青と違う 鮮やかな青だ。

眠い一日

ジャーマンアイリス

朝から 曇り空で寒い。

首に紺色の木綿のストールをぐるぐる巻くと

どうにか 暖かくなった。

 

寒いせいか 寝不足なのか 椅子に座ると眠くなる。

お昼ご飯に具沢山の味噌汁を作り

納豆とほうれん草の胡麻和えで済ませた。

私はベジタリアンではない。

もっと力になるものを食べないと。

 

雨が降り出した午後。

車で片道50分 琵琶湖畔のスーパーまで

一週間分の買い物に出かけた。

途中 図書館に立ち寄り

本の受け取りと延長をした。

 

鰹のたたき 1冊を買う。

食べる前に フライパンでもう一度 表面を焼く。

そして切る。

スーパーの鰹のたたきが

これでグンと美味しくなる。

 

夜は 薪を景気よくストーブで燃やす。

暖かさの心地よさの中で 本のページを繰る。

朝と同じように すぐ眠くなるのには困った。

ポトリと落ちた エゴの花

エゴの花

高い木の枝から

エゴの花は 真っ直ぐに

ポトリと落ちる。

 

見上げれば 

アイボリー色の花に 

黄色の蕊(しべ)の花が 鈴なりだ。

 

何年も前

苗を幾つかもらい 小屋のそばに植えた。

よく育ったものだ。

 

小石の上に 降り立ったエゴの白い花達。

冬の間 

雪の下で暮らした枯葉 緑の苔。

その姿を写真に撮ろう。

 

いつもの様に 下に落ちた物に目を向ける。

朽ちてゆく物 枯れた物 

そんな物が 私はどうも好きなようだ。

去年はもう少し 暖かかった様な気がするのだが

 

雨の後

良く晴れて 空気が冷たい

気持ちのいい季節だ。

 

アイボリー色のエゴ ウツギ ミズキの花

薄紫のコアジサイ 朱色のつつじ

空気が甘い木の花の香りで充満する。

実に贅沢な空気を吸い込む。

 

冷え冷えと うっすらと寒い朝晩に 

まだストーブに薪をくべる。

小屋の中の空気が ふんわりと暖かくなる。

 

Tシャツの上に 薄いフリース フランネルのシャツを

重ねたり抜いだりの面倒な日々。

 

去年の今頃はどんなだったのか?

ブログを読んで確かめる。

 『2021.6.20

 雨が続いて 冷たい毎日だ。

朝晩は まだストーブで 薪を燃やしている。』

 

去年はもう少し 

暖かかった様な気がするのだが。

ジギタリス 又の名は「キツネの手袋」

 

雨の降る日

少し水かさの増えた川のそばに

淡いピンクの花をつけたジギタリス

草むらに 山の中に

そして去年は うちの小屋のそばにも咲いた。

 

ヒメジョオン ハルジオン 西洋タンポポと同じ

外国からやってきた外来種の植物だ。

ピーターラビットの絵本に

登場人物の一人の様に描かれている。

 

薄緑の 草むらの中に立ったジギタリス

灰色の空の下

速い川の流れを見つめているその花は

遠い国からやってきて この地に根付いた。