動物達の足跡

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鳥の足跡だ。

ヒョコヒョコ ヒョコヒョコと歩いた跡だ。

少し大きな鳥 カラスか ヒヨか 野鳩

何かを思いながら 真っ直ぐに。

 

雪の上には 色々な足跡が残る。

鹿 狐 テン 猪 

もっと小さなイタチなど。

 

小さな小さなヤマネは

ふかふかの寝床で冬眠中。

 

夜があけて 

輝く朝の雪の上に残された

動物達の足跡に

冬の夜 生き生きと活動する姿を思う。

 

夏は土を掘り 冬は雪を掘り

毎日 生ごみを埋める。

毎晩 掘り返される 生ゴミ

紅茶の葉 コーヒー豆の滓 卵の殻

りんごとみかんの皮など。

動物達には 本当に申し訳ない。  

鳥の寝床

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杉の硬い樹皮と木の間の 茶色の薄い皮。

それを上手に剥いで 

枯れた葉を間に編み込んだ

柔らかなクッション。

 

薪棚の薪の上に

溶けた雪の雫で濡れていた。

 

一体誰の寝床なのか?

コツコツと丁寧に作られた巣を見ていると

かつての人間の寝床も

こうだったのではと思う。

 

この巣の住人は 今どこに?

雪の雫が落ちてこない薪の上

そこに 場所を移したが

気に入ってもらえるかどうか?

余計なお世話をしたのか?

と 日が暮れても気になって仕方がない。

鰊の麹漬け

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鰊の麹漬け

この時期になると

毎年 村のどこからか貰う

ニシンの麹漬け。

 

塩漬けした大根と

水で戻し 柔らかくなったニシンを

麹でつける。

家によっては白菜も一緒に。

 

安くはない乾燥ニシンを使う

贅沢な冬のおかずだ。

 

青森の麹漬けは

りんごも一緒に漬ける。

彩りも綺麗なニシンの麹漬け。

 

熱い炊きたてご飯に載せると

麹の香りがより際立つ。

 

来年こそは 作ってみようと

思いながら 貰ってばかり。

作る時には 柚子を加えて

香りと色も楽しみたい。

晴れた雪の日々

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冬の日

灰色の空と とどめなく降る雪に

心が押し潰されそうな時もある。

 

そして 雪が止み

力強い朝日に 世界が輝く時

白い景色はこんなにも美しいのかと

除雪の手を休め 周りを見回す。

 

屋根のつららは

朝の日を受け ポトリと雫を落とす。

北欧のガラスの器に

そんなのがあったのを思い出す。

 

晴れた日の

雪の世界に響く鳥の声

茶色に枯れた草木の美しさ

雪上に残した動物達の足跡

そんな事に喜びを感じている。

薪棚

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薪棚

小屋のそばに

ストーブ用の薪を積んだ棚がある。

 

小さく見えるが 結構な量をストックできる棚だ。

雪を被ったその姿は可愛く

生クリームをたっぷり載せた

ケーキに見えなくもない。

 

春になり 雪が消えると

夫は残った薪や空いた所をチェックする。

薪の間に残された鳥の巣

上手に作られたフワフワの巣を

見つける楽しさと

ここで冬を過ごした小さな鳥達を思う。

 

薪に押し潰された 巣の中の小さな鳥もいる。

運悪く薪の一部が崩れてしまった。

運命を感じる時だ。

 

テンの様な小動物が持ち込んだ

みかんの残骸 卵の殻。

 

雪の中の小さな薪棚の中での 

静かな しかし 懸命な生。

今もそれは続いている。

日常の始まり

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2021.1.4 

こんがり焼けたパンに

バターを塗る。

バターの溶ける香り

熱いミルク紅茶の湯

それは私にとって 平和な日常の証しだ。

 

水を含んだ 大きなボタン雪の

北から南に降るのが

湯気で煙った 窓ガラスの向こうに見える

 

お正月は

久しぶりの大雪の除雪で日が暮れた。

置き去りの本を読み DVDを観 

ゆっくりするはずの三が日は

ずっと雪を谷へ捨て続けた。

 

さて

今日からは平常の暮らしの始まり。

日暮れが少しずつ遅くなり

春は間近に来ているのを感じる。

そんな事が嬉しい。