雨の日の朝

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お隣が草刈機で草刈りを開始。

今の季節は

刈っても 刈っても草は伸びる。

 

安定したエンジン音。

湿った空気を通して届く

この苦い香りは何だ?

 

花の散ったドクダミ

体に良さそうな香り。

 

昨夜から降り始めた優しい雨

草木も花も アスファルトの道路も

露をいっぱいに溜めて 静かな風情。

 

そして 私はと言うと

昨日の朝の ぎっくり腰で気分は萎えている。

 

少し前屈みの姿勢で

今日はそろり そろりと活動開始。

不断の運動の大事さ。

ぎっくり腰になるたびに反省する。

植木鉢の中のヤブコウジ(藪柑子)

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小屋の周りのあちらこちら。

秋になると 赤い実をつける。

とても可愛い。

 

名前はヤブコウジ(藪柑子)

又の名を十両

 

小指ほどの大きさのものを

土をつけて 持ち帰り

小さな植木鉢に植えたのは

去年の秋だったか?

 

時々水をやり 様子を見てはいたが

強い風に吹かれたり

大雨に打たれたり。

 

気がつくと 細い茎が

しっかりと 逞しい。

 

一年の短くも長い時間に

この小さな木は 狭い植木鉢の中で 

根を張り葉を2枚増やした。

 

山の中で群れて生えている 仲間から離れ

うちの小さな鉢の中で

健気に生を営んでいる ヤブコウジ

 

その健気さを思い

道路からよく見える特等席に

鉢を移した。

昨日買った秋の和菓子

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「仙太郎」の和菓子

 

秋にはりんごを使ったアップルパイ

マッシュした栗のモンブラン

 

それは 

沢山出回る季節の果物を

豊作の喜びと共に 材料として使った

ヨーロッパ、アメリカの菓子だ。

 

昨日買い求めた饅頭は

手のこんだ高価な物ではない。

しかし 一個の饅頭に込められた

日本の菓子の奥深さと文学性。

これは日本独自のものではないか?

それが 伝統として 

町の小さな和菓子屋の

饅頭にまで込められている。

 

『硬く練ったこし餡で形作られた栗。

その中に大きな栗が一つ。

底に付けられた芥子粒。』

 

米粉こしあん

小芋を形作った月見餅』

 

『赤い目と焼き印で

ウサギを作ったじょうよう饅頭』

 

『たっぷりの渋栗で

秋の風情を出した栗蒸し羊羹』

 

それぞれを2個づつ買い求め

熱いお茶をすすりながら 食べながら

小さな饅頭の中に込められた

日本の秋の自然と文学性を思った。

 

日本の饅頭は実に奥深い。

大胆な季節の移行

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今年の季節の変わり目は 実に大胆だ。

緩やかに 次の季節に移行するのではない。

 

春から 突然梅雨の長雨が続き

「ああ もう雨は沢山だ」と思ったら

夏の異常な暑さに 体も心も疲弊した。

 

そして

今度は突然の秋だ。

例年になく 使い続けた扇風機の

羽についた埃の汚れまでが 疲れて見える。

 

数日前から 朝夕だけ

ストーブに薪をくべている。

半袖のシャツに長袖を羽織り

それでも 暖かさが欲しい。

 

優しい四季の移ろいはもうないのか?

それとも

今年だからなのか?

 

北の夜空に現れた

大きなWの星座 カシオペア

砂を撒いたように光る星々の間に

それは ひときわ 存在を主張し

天空に張り付いた ブローチの様に見える。

贅沢なブルーベリーパイ

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用事があって訪ねたチエコさん宅。

 

そこで 沢山のブルーベリーを貰った。

日当たりの良い畑で

どんな野菜も 花も元気に育つ。

ブルーベリーも違わず 沢山の実をつける。

「これは嬉しい」とジップロックの大きな袋に

満杯の青い実を受け取った。

 

薄力粉 強力粉 切ったバター 冷水。

材料が冷たい内に パイの層を思い浮かべながら

混ぜ そしてまとめ 冷蔵庫へ。

 

ボールに山盛りのブルーベリー。

砂糖と片栗粉を加えて さっくりと混ぜる。

 

パイ生地を少し伸ばし切り重ねる事数回。

そして 皿の底と蓋の分 2枚を伸ばす。

 

パイ皿に生地を敷き

甘いブルーベリーをたっぷりと納め

上から又 生地を載せる。

 

空気抜きの穴を開け 卵黄を刷毛で塗り

後は焼くだけ。

 

美味しいパイを食べたいのなら

市販の冷凍パイシートを諦めよう。

バターと小麦粉の シンプルな自家製パイシートは

たとえ失敗しても 美味しい。

 

焼き上がりを熱い間に食べるのも

冷蔵庫で冷たくしたのも

甘酸っぱいブルーベリーパイは

家で作った 素直な味がする。

 

貰った旬のブルーベリーを贅沢に使い

3回 焼いた。

とても 美味しい。

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『パイ生地』

 

薄力粉    150g

強力粉    100g

   (薄力粉250gでも良い)

冷えたバター 170g

冷水     約半カップ(加減を見ながら)

ユダヤ料理「ラトキス」

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ユダヤ料理 「ラトキス」

 

何十年も前から

おかずに困ったら作り続けている。

ジャガイモがあればそれでいい。

 

朝日新聞の料理の記事で知った

ユダヤのおかず。

 

皮を剥いたジャガイモを

大根おろしの様に擦り

みじん切りの玉ねぎ

卵 小麦粉 塩 胡椒。

擦ったジャガイモの汁を捨てるのを忘れずに。

 

さっくりと混ぜ

熱したフライパンにオリーブ油をたっぷり。

玉杓子で軽くすくい フライパンに。

おお いい香りだ。

焼き色がつけば出来上がり。

 

何もつけずにそのままで。

食感はもっちりとし

オリーブ油の香りが食欲を増す。

 

数年前に亡くなった 料理家 大原照子さんが

外国で食べ そのレシピを再現した。

 

私の「ラトキス」を食べた ユダヤアメリカ人が

涙を流さんばかりに感動したのを見ると

かなり忠実に再現された

家庭の味のレシピなのだろう。

 

新聞記事に載ったレシピ。

それを読み ずっと作り続けている私。

料理家にとって それは

とても嬉しい事だろう。

村の山に分け入る(2)

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炭焼き小屋

家は向かい同士。

生まれた時から いつも一緒。

そんな二人が 毎年炭を焼く小屋がある。

数年前 幼友達の一人が 亡くなった時

号泣したというもう一人が

未だに炭を焼いている。

90歳に近い この地のネイティブ男子だ。

 

小屋の扉は鍵もかからず

細い紐で括られているだけ。

その紐を解き 中を覗きたい衝動に駆られるが

そこをグッと我慢するのは

山の神様の目を感じるから 

と いう事にしておこう。

 

軽トラ一台分の 林道の脇に立つ

周りの自然と同化している趣き深い小屋だ。

うちの小屋もこうでありたい。

 

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岩盤が剥きでた林道。

この林道を作る時の様子が浮かぶ。

掘削機で 堅い岩盤をガンガンと崩し

重機が活躍し 少しづつ出来上がった道。

 

この道を 鹿が 熊が 猪が

そして たまに人間が 軽トラが通る。

県道から脇の山に入るだけで

深い山 森がある。

 

雨でなければ 歩いて行きたい深い山。

林道に舞い落ちた 黄色の紅葉の葉。

美しい。

 

晩秋の頃の青空の日に もう一度 歩きたい。