「冬瓜」のケンジさんは
鹿除けの電柵を張り巡らしている。
畑は勿論、玄関から裏まで
家の周りもぐるりと電柵を張った。
隣近所の人達からの評判は
非常によろしくない。
夜になるとソーラーエナジーのライトが
チカチカ光る仕掛けもしてある。
しかし、しかしである。
この病的に思える電柵のおかげで
鹿に食べられる事もなく
風に吹かれて咲いている。
電柵も、何もしてもらえないうちの花達は
蕾が膨らんだら鹿のおやつになっている。
鹿の天敵、電柵。
居眠りもせずに、よく働くよ。