(先代さん達)
私が住んでいる村は林業の村。
今、88才の男性が8才位の時
街の学校に行ってる村の若者が帰郷し
その人が撮ってくれた写真だそうだ。
学生服を着ているのがその人。
地下足袋、股引、腰辺りまでの着物を着て
写真の中にいる人達は
それぞれの家の先代さん達だ。
このカッコいい仕事着で山の中に入り
大きな木をノコギリで挽いて
斧で倒し。
(先代さんの息子達)
先代さんから2、30年後。
後ろ向きに立っている人が
この写真を見せてくれた88才の男性。
当時20代のまだ背中も真っすぐの
働き盛りだった。
「先代さん」の写真の中、右端の髭の男性の息子だ。
雪の山に木間道(キンマミチ)を作り
積み重ねた木をこの上に滑らして
下迄走らす。
命がけの仕事だ。
背広姿の人は
用事で行った街から帰って来て
そのまま仕事にやって来た。
この頃から60年余。
今、山の仕事をする人は
暖かい下着に、軽快な作業着を着て
頭にはヘルメット。
チェーンソー2台にオイルのタンクを持ち
お弁当とお茶も忘れず山に入る。
変わらないのは地下足袋だけ。
伐った木は重機で降ろし
トラックで運ぶ。
昔と比べれば楽になったとはいえ
林業は実に大変で危険な仕事だという事に
変わりはない。