(ホテルの窓から)
その良さ、何故いつ迄も人気があるのかとか
そして、そのカリスマ性も理解出来る。
でも
曲を聴いただけで
その土地に行ってみたいと思わせられたのは
サイモンとガーファンクルだけだった。
イントロのギターを聴くだけで
耳が大きくなる。
哲学的、もしくは概念的フォークロックと言われる
サイモンの詞の中で語られるマンハッタンは
何時も寒く、暗く、孤独で寂しい。
詞の中の男の子は
ニューヨークで挫折し
やっぱり家に帰ろうと泣きべそをかく
地方出身者だ。
私はその「足跡」を訪ねて
マンハッタンを
およそ20年前と10年前に歩いた。
詞の中の心象風景は
あくまでもサイモンのものであり
私はただの通りすがりの旅行者だった。
でも
植草甚一が言った言葉を
街を歩きながら納得した。
「ニューヨークは
道路に捨てられた
煙草でさえも美しい」