1997年。
香港返還の年に製作された「ブエノスアイレス」。
カンヌ映画祭で常連のウォン・カーウァイ監督が撮った、心底重い映画だった。
18年前、満員の映画館で見た。
「やり直そう」とアルゼンチンにやって来た男二人。
イグアスの滝に行く途中の車の中で喧嘩をして別れてしまう。
知人もいないブエノスアイレスで、それぞれの人生が始まった。
1人は体を売り、1人はナイトクラブのドアマンとして。
レスリー・チョン演じる、我がままで、サディスティックで、自堕落なウィン。
トニー・レオン演じるファイが「やり直す」決心をしてから、どのようにウィンと繋がっていくのか。
イグアスの滝の俯瞰。
それにククルクク パロマの曲が重なる。
ブエノスアイレスの濡れた石畳。
離れられない二人のバックに流れるピアソラの曲。
この映画が作られた1997年の香港返還の後、香港映画は中国映画となり、レスリー・チョンは自死し、ウォン・カーウァイはハリウッドで映画を撮っている。
もう1人の主演のトニー・レオンは、今や中国映画を代表する俳優の1人になった。
________________________
文中の青い「ブエノスアイレス」をクリックすると、予告編にリンクします。
Amazonで買えます。
TSUTAYAでレンタル出来ます。