ひび割れのかめ

アメリカ人の友達からのメールに添えられていた、「ひび割れのかめ」の話。

 

聞いて欲しい。

 

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二つの大きなかめを持つ中国人のおばあさん。

 

天秤棒にその二つのかめを吊るして水を汲みに行く。

そのかめの一つはひび割れて、もう一つのかめは並々と水が入る。

 

小川から家までの長い道のり。

丸2年間、毎日おばあさんの水汲みは続く。

 

勿論、ひび割れてないかめは自分の仕事に誇りを感じていた。

しかし、お粗末なひび割れのかめは自分の不出来が恥ずかしく、半分の仕事しか出来ないのが惨めだった。

 

2年後、ひび割れのかめは、自分の苦々しい失敗に気づく。

 

ある日、そのかめは小川の側でおばあさんに話す。

    「私は自分が恥ずかしい。

     だっておばあさんが家に帰る途中で、

     私のひびが水を漏らしてしまうんです」

 

おばあさんは笑って言った。

    「この小径のあんた側に花が咲いているだろう?

     もう一つのかめの側じゃなくてね。

     気が付いたかい?。

     

     私は知っていたんだよ、

     あんたの水漏れをね。 

     

     だから花の種を、小径のあんた側に撒いたんだ

     よ。

     

     毎日、私達が歩く時、あんたが種に水をやって

     くれたのさ。

     

     そしてこの2年間、

     机に飾る花を摘む事が出来たんだよ。

     

     この家を優雅にしてくれたこの美しさは、

     あんたなしでは出来なかったのさ」

 

 

 

この世の中に無駄で役立たずな物や人間はいないんだよ」とこの話は教えてくれる。