地域振興券でうなぎ

人口約5万人の 小さな市に住んでいる。 琵琶湖に沿った平野(と言うには狭い所だが)と 林業を生業としている山の村。 人の少ない所だ。 先日 一人1万円相当の地域振興券なるものが 郵便で届いた。 うちは二人なので2万円分。 この券はスーパーマーケット…

帰って来た杉 檜

カンナをかければ 立派な建築材として もう一度使える杉や檜の廃材が 2トンのダンプで 時々 うちに運ばれてくる。 それに残された釘は 四角の古い手作りだ。 釘抜きで丁寧に抜き 「取っておこう」 大きく古い家の面影を残す 渋い色の丹を塗った柱や梁。 よ…

柔らかで 生き生きとした苔

私の住んでいる集落では 表玄関のそばに 必ず日本庭園がある。 若狭式庭園とかで 由緒あるものだそうだ。 雪に痛めつけられてはいるが 大きな松。 桜 ツツジ 馬酔木 百日紅等が これも 又 雪に痛めつけられている。 その痛々しい姿の木々を 労わるかの様に …

夕方の景色

暖かい1日だと 天気予報ではいうが うちのあたりは まだ雪に覆われている。 夕方の靄のかかる景色は 寂しくもあり 幽玄の風情もあり 中々良いものだ。 暗い鉛色の川の流れの音と共に 今日はこの一枚を皆様に。 それでは 又 明日。

温泉のある丘まで歩いた

図書館の裏 夫はローソンへ 私は図書館へと 村の「ミッドタウン」に出かけた。 夫の愛車 スズキのキャリーで30分だ。 道の駅の駐車場に車を止め それぞれが 用事を済ませた。 そして私は 青いコートのポケットに 水色の小さな傘を入れ 「ちょっと 温泉まで…

峠行き(2)

一番奥に比良山系が見える 峠からの下りは 歩いても楽なものだ。 自動車道路をぶらぶら歩けば いつの間にか 集落に辿り着く。 でも 今日は車。 時々止めては 周りの山々を眺める。 遠くに煙が立ち上るのは 峠の下の集落だ。 伐採した杉の枝を燃やす煙。 山か…

峠行き(1)

遠くに日本海が見える これ以上の天気は望めない と いう程の明るい日。 思い立って 日本海が見える峠に行った。 歩いて登ろうと思っていたけど 今日はそんな時間はない。 夫の愛車キャリーで 気ぜわしく 二人で出かけた。 ぐるぐると ヘアピンカーブを登り…

約束をしないと来ない様な気がする

温泉の山 温泉のある山の辺り。 ここは動物にとっては聖域だ。 ハンター達が侵入してはいけない場所。 杉の人工林が少ない。 広葉樹が多い。 動物達にとっては居心地のいい場所に違いない。 まだ 紅葉には早い時期の 緑の残像と出始めたばかりの紅葉の 混じ…

温泉の山 黄色の楓

毎年こんなに紅葉が遅いかな? と 小屋の周りを見回す。 インフルエンザの予防注射を受けに 「ミッドタウン」の診療所に行ったついでに 村の温泉の山まで行った。 この温泉のある周りの山は 広葉樹が多い。 あそこはどうだろう? 診療所から車で数分。 ぐる…

広い空間に吸い込まれる音

タイチさんの家の前の 広いススキの原。 ここもタイチさんの土地だ。 綺麗好きで キッチリ屋のタイチさんは このススキを一年に一回 スッキリと刈る。 「村の鍛冶屋さん」で買った よく切れる刃をつけた草刈機。 キーンキーンと刃が石に当たる音。 背の高い…

桜並木の下のベンチ

図書館の裏の川の堤。 そこには 立派に育った桜並木が どこまでも続いている。 その桜の下に 簡素な木のベンチが 間隔をおいて並んでいる。 桜の花の季節には 花を愛でる人達で賑わう堤。 訪れる人の少ない今 並木や ベンチが 下を流れる川 比良山系の山並み…

図書館の裏

夕方 慌てて図書館まで 車を走らせた。 夫の愛車 軽トラである。 本を返し そして予約本を受け取る。 「キネマ旬報」2冊。 人口2500人程の村の とても立派な図書館で。 表に出ると あまりにも美しい 夕焼け空が目の前にあった。 暗くなる前にと 帰りを…

川に続く短い下り坂

茸達が静かにこちらを見ている処から たらたらっと川に続く 短い下り坂がある。 そこには コンクリートで固めていない 川辺が続く。 川底が見え 澄んだ水が サラサラと音を立てる。 枯葉が積もり始めた その坂道を眺めながら 穏やかな景観がいつまでも 続く…

忙しない季節の移り変わり

山の中の田畑は 一枚一枚が小さい。 そんな小さな田んぼを見慣れた目には 平野の開けた田は大きいなと思う。 古人が山を開墾して 少しずつ増えていった 小さな畑や田んぼ。 そこに水を張り 空の雲を映し 苗を植え ツバメがその上を飛び 稲穂が黄色くなって …

いつもの様に ラジオから音楽が流れて

「ミッドタウン」の午後8時 ローソンのパーキングから 「ミッドタウン」とは 私の住んでいる村の中心地。 市役所の支所 郵便局 図書館 ホール 道の駅 小さなスーパー 温泉 スキー場 診療所 消防署 等々 暗くなれば ヘッドライトの灯だけが眩しい所だ。 湿度…

「今日も一日お疲れさま」

「ミッドタウン」のメインストリート 午後4時 日本中が沸騰している時は 海抜600メートル辺りのここでも同じだ。 午後3時 湖西の街まで急ぎの用事で下った。 山の中の道路ぎわの温度計は33度。 でも いつの間にか深い緑に変わった 山の木々は元気だ。 …

7月になってもストーブに薪を燃やす

御歳90歳のオカネさんは カイロを背中に二つ 腰に二つはっている。 脳味噌はキリキリ働き 口も達者。 でも 7月になっても暖かくならない 今年の夏には参っている。 海抜600メートル程のこの山の村。 例年 クーラーは勿論 扇風機さえ夏に数日使うだけだ…

オチヨさんの蕗で佃煮

オチヨさんは 御歳 92才。 確かそうだ・・・ 93才かもしれない。 今でも 山に入りワラビを採り 午前中に芋の苗を 100本だか200本だか植える。 漬物を漬けるのは当たり前 梅干しは15キロ 甘酒も自家製麹で作る。 自分の畑で西瓜を初め 一通りの野…

小屋の北側の谷

小屋の北側の谷は どんなに日照りが続いても 今迄 水が枯れた事がない。 谷に沿った林道は 軽トラが走るだけの幅。 そこをずっと上に歩くと 細い険しい道になる。 谷は細くなり やがて水源にたどり着く。 そして 頂きをあちらに下ると京都だ。 広葉樹の葉っ…

山道とアスファルト道路

うちから4っつ目の奥の集落 「イギリスはどんな田舎に行っても 道路が舗装されている」 と、何十年も前に 新聞で読んだ記憶がある。 今や日本の山奥の村も アスファルト道路で繋がる。 うちの集落から奥へ4っつ目。 細い道の坂を登り 杉の暗い林を抜け 広…

図書館の裏の桜はまだ蕾

図書館の裏の桜(4月4日) 図書館の裏の大きな川は 下へ下へと流れて 琵琶湖にたどり着く。 その川の堤の長い桜並木。 途切れる所はあるが 琵琶湖へと続いている。 灰色だった 山の村の冬が終わり 堤が長い桜の淡いピンクの帯に変る。 それは 見事なものだ…

昨日の雪が遠い出来事の様だ

図書館の裏 私が住んでいる村で 一番好きな場所が 図書館の裏の堤だ。 ここからは 広い河原の東側に 比良山系が望める。 道の駅のレストランから この風景を眺めながら ご飯を食べるのは 心底 至福の時だ。 堤に植えられた 何十本もの桜の木は まだ蕾が堅い…

うぐいす色の田畑

3月7日 夕方 買い物に出かけた帰り道。 車の窓から見える うぐいす色の田畑。 ついこの間まで 雪に覆われていたのに。 遠くに見える桜並木も 蕾ははや膨らんでいる事だろう。 山の頂きの名残雪。 夕方から 霙や霰が激しく降り うっすらと雪が積もり 雷が鳴…

冷たいひな祭り

3月3日 夕方 山の村では まだ雪が残っている所が あちらこちら。 今日は一日中 雪の表面から 靄が立ち上がっていた。 鳥達は相変わらず鳴き まだ芽吹かない木の枝には 雨の露が連なっている。 大きな鴨が一羽 川の面を上流をめがけて 駆け上がる様に 羽ば…

川の旅

身も心も縮み上がる。 そんな川の流れだ。 澄み切った翡翠色の冬の川。 リズミカルな音をたて 小さな岩を越える。 走っているかと思えば 眠っている様にさらさらと流れたり。 急なカーブを 大きくうねりながら 川岸を削る。 治水ダムから 白いレースのカーテ…

トミコワールドの編物

「いらんかったら捨てて」 この辺りの奥さんが 私に何かをくれる時の口癖だ。 大根、白菜、小松菜・・・ 必ず「いらんかったら捨てて」 冬の雪で埋もれた畑では なんの農作業も出来ない。 だから トミコさんは編物をする。 椅子の座布団カバー マフラー 靴下…

穏やかな山里の彩り

大雪の後 お天気が続いたり 小雨が降ったりした。 雪の量が こそっと減り 生活がとてもしやすい。 今日も 気持ちのいい夕方だ。 淡いピンクに染まった雲。 防災無線から聴こえる 「夕焼け小焼け」の曲。 冬は4時半 春と秋は5時 夏は5時半に。 姿を見せな…

伐られた銀杏の木

通るたびに 「ああ 綺麗な木だ」 と 見ほれていた銀杏の木。 集落のお寺の木だ。 三角錐の樹形 季節ごとに色を変える葉っぱ。 民家の様な寺の それはいいアクセントになっていた。 その木が丸裸みたいに伐られた。 恥ずかしそうにしている様で 木には失礼だ…

ケーキとお弁当 大根と小芋

大阪 中央区 高麗橋 大阪 中津の画廊まで行ったのはいいが 開廊の時間を間違えていた。 30分待てばいいが 姉との待ち合わせ時間に遅れる。 残念だが又の機会にと その場を後にした。 中津は面白い興味深い街だった。 地下鉄の階段を上った所 そこは高いビ…

フランス娘 アシュレッド

午後4時40分 台風21号の三日程前に チャックの畑のボランティアで フランスのリールという ベルギーとの国境沿いの街からやって来た 21才のフランス娘、アシュレッド。 大人も震え上がった21号台風にも 怖くなかったと強がった。 そのフランス娘が …