謙虚さを忘れた結果

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クリスマスローズ

飛行機が

のっぽの貿易センタービルに突っ込んで

崩れ落ちた同時多発テロ

2001年9月11日。

 

かまぼこ型の

ビニールハウスをめがけて

津波が押し寄せる

飛行機からの映像。

東北の震災。

2011年3月11日。

 

テレビの前にいた私達が

ライブで送られて来る映像を

現実の出来事なのだと気がつくのに

しばらくの時間がかかった。

 

アメリカはこれから先も

テロの脅威に怯えながら

生きていかなくてはならないだろう。

 

そして日本は

これから先も毎年

「50年に一度」の自然災害が

あちらこちらで起こるだろう。

 

これらの共通している要因は

人間(勿論私も含めて)、国の横暴な振る舞いだ。

 

力で他国をねじ伏せる

富や快適な生活の為に

自然との共生をないがしろにする

そのしっぺがえしだ。

 

謙虚さを忘れた

いや 忘れた振りをした結果だと思う。

逆さまの風景

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木の枝にくっ付いた

雨の雫の向こうに

逆さまの風景。

 

そうっと近寄り

息を止め

雫の向こうの世界を見る。

 

この水滴の中を

鳥が飛び 木々が揺れる。

 

風が吹けば

儚く壊れてしまう

水の中の小さな世界。

 

私はそろりそろりと後ずさり。

そして

自分の小さな世界の

扉を開けよう。

 

ヒカゲノカズラ(日陰の葛)

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ヒカゲノカズラ(日陰の葛)

林道の雪が消えたので

小屋の側の山に入ってみた。

 

雪の下で

何ヶ月も潜んでいた

冬の初めに散った

茶色の葉っぱ。

それらを踏みしめ

もう少し奥へ入ってみよう。

 

鹿の通り道の

崖が崩れた辺りを

明るい緑の蔓が

一面に這っている。

ヒカゲノカズラだ。

 

冬の名残が残る暗い林の中で

そこだけが

生き生きと明るい。

 

あっ オウレンの小さな花!

見逃してしまう所だった。

あまりにも

ひっそりとしているから。

 

シダの柔らかい葉っぱ。

くるりと巻いた

赤ん坊の手のひらの形。

 

春の気配の少ない

山の中の冷やりとした空気。

 

木々の間から見える空は

春の気配がしているのに。

うぐいす色の田畑

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3月7日 夕方

買い物に出かけた帰り道。

車の窓から見える

うぐいす色の田畑。

 

ついこの間まで

雪に覆われていたのに。

 

遠くに見える桜並木も

蕾ははや膨らんでいる事だろう。

 

山の頂きの名残雪。

 

夕方から

霙や霰が激しく降り

うっすらと雪が積もり

雷が鳴り

強い北風が吹いた。

 

でも 

もうそんなに遠くない所に

春がやって来ているのは

感じている。

アオゲラ

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Google画像より アオゲラ

 

杉の枝を焼いているケンジさんが

私を見つけてやって来た。

 

家の白壁を

アオゲラが穴を空けた、

山側などひどいものだ。

テンが家の中に入って来るかも知れない。」

 

確かに山側の壁は何カ所も

ぽっかりと。

 

「綺麗な青い鳥なんやけど」

と言いながら

壁の修理代を心配している風だ。

 

コンコンコンコンと

山から聞こえるキツツキの音。

「ケンジさんの白壁に穴を空けたのは

ひょっとして君かね?」

 

冷たい日だが

黄色のキセキレイ

軽やかに飛び回り

巣作りの場所を捜す。

 

シジュウカラも群れで飛び

ニュースが

白鳥のシベリアへの旅立ちを伝える。

4000キロの長い旅だ。

「安全な旅を!」

 

春だなぁ。

 

そして私は?

雪の積もっている時から

夫が割っていた広葉樹と針葉樹。

猫車で何回も薪棚まで往復し

割られた薪を積み終えた。

 

啓蟄も過ぎ

もうすぐ野の花も咲き始める頃だ。

菜の花の野性

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菜の花

 

花が咲く前の蕾と

柔らかい葉っぱの菜の花。

 

その畑の様を

思い浮かべるだけで

春を感じる。

 

そして

その茎の先を摘み取る

指先の動きまでも。

 

水に浸し

しゃっきりとした菜の花。

 

さっと湯に通し

甘い目の芥子醤油で和え

鰹節を振りかける。

 

噛むと苦みと歯触り良く

土で育った野性の味だ。

熱いご飯と共に口に運ぼう。

明日の朝 目が覚めれば晴れ

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この季節は

冬より寒く 冷たい

・・・と感じる。

 

北からの強い風と

降り続く小雨。

 

首にネックウォーマーをすると

ほかほかする。

 

皮のワークブーツ

たっぷりと靴クリームを塗り

毛糸の靴下を履くのは

冬の始まりから同じだ。

 

八朔をむいて

冷たい果肉を食べるられるのも

暖かい小屋の中だからこそ。

 

綺麗に拭いた窓から見える

北風に吹かれて揺れる樹々。

 

明日の朝

目が覚めれば晴れだと

ニュースが言っていた。