夜の音

f:id:URURUNDO:20180711005758j:plain

 

山の陰に太陽が隠れると

ヒグラシが鳴く。

樹々の間に染み渡る様に鳴く。

 

ヒグラシの合唱に

合いの手を入れる様に

ウグイスが変調で鳴く。

 

深夜に近く遠く

幾つもの鳥の声が聞こえて来る。

そして

河鹿(カジカ)の騒がしい声も。

 

穏やかな流れになった

川の軽やかな音がそれに重なる。

 

まるで交響曲の様な夜の音だ。

今日から2週間の京都

f:id:URURUNDO:20180710021309j:plain

上賀茂

 

大原を過ぎると

むっとした空気に変わる。

 

鴨川の流れは穏やか。

でも 岸の草が倒れて

豪雨の時は

あそこ迄水が来たのだ。

 

今日から2週間。

暑くて息をするのも苦しい様な

京都の南に出かける。

お弁当を持って。

 

塩と胡椒を効かしたチキン胸肉のロースト。

キュウリとスライス玉ねぎと一緒にサンドイッチ。

パンは自家製のパンドカンパーニュで。

 

紫蘇で赤く染まった自家製の塩辛い梅干し。

三角のおにぎりの真ん中に入れて海苔を巻く。

卵焼きと唐辛子を焼いて醤油と鰹節で和えたのとか。

 

簡単な簡単なお弁当だが飽きない。

 

豪雨の惨状が耳に目にはいる日々。

お弁当の話など不謹慎な気がする。

合歓の木(ネムノキ)

f:id:URURUNDO:20180709013341j:plain

合歓の木(ネムノキ)

 

数日降った豪雨が去って

朝 窓から見上げた空は青空で

そこには白い雲が輝いていた。

 

時々 シャワーの様な雨が降った。

 

買い物に出かけた町の空には

大きな虹が半分かかっていた。

 

ホッとした安堵の気持ちと

頭のどこかに残っている不安感が離れない。

一息つく

f:id:URURUNDO:20180707235709j:plain

アカモノの実

 

インターネットの雨雲レーダーを

見続けた数日間だった。

 

パソコンのディスプレイの中で

赤や黄色や青の雨雲が動くのと

頭上の灰色の雲が同じものだと

理解するのにも慣れた。

 

私の住んでいる所も大変な雨で

どうなる事かと思ったが

ニュースで知る他県の災害にぞっとした。

 

今日

まだ雨は降っているが

マイクロバスの市バスが

クロネコのトラック 

郵便の軽トラも

うちの前を走りだした。

 

色々と感じる事はあるが

ここでそんな愚痴をいうのは

止めておこう。

 

日常の生活が

戻り始めるであろう嬉しさで

今は充分だ。

お先真っ暗(2)

f:id:URURUNDO:20180706235301j:plain

 

平凡な日常がとても大切だ。

災害が起こるたびに思う。

 

五十年、数十年に一度の豪雨と

ニュースで伝える。

しかし

私は5年で3回の深刻な豪雨に遭っている。

5年前の18号台風。

うちの裏の崖が

想像を絶する川の増水で50m程崩落した。

 

去年の21号台風、そして今回。

 

暗黒の宇宙に地球が誕生し人類が現れ

気の遠くなる時を経て

豊かな緑と水の惑星になったのに。

地球や気候の変動はこんなにも急激にやってくるのか。

 

自然の脅威には人間は勝てない。

 

うちに侵入して

私の目玉や心臓が飛び出る程ビックリさせた蛇。

小屋の中のどこかにまだいると思う。

 

マムシを9匹捕まえて

生の心臓と焼いた体を食べた

猛者というか猛女というか

90才を過ぎたオチヨさんが言う。

「ねえさん、蛇が家に付くと

 金や物がどんどん入って来ると言うぞ」

 

金も物も

勿論蛇も要らない。

心底そう思う。

お先真っ暗

f:id:URURUNDO:20180705002037j:plain

 

日本列島のあちらこちらで

豪雨の予報。

 

台風一過の明るい青空は望めない。

ずっと続く雨や強い風は気持ちを弱くする。

 

そして、そして

昼ご飯のテーブルの上に

そんなに大きくない蛇が

茶碗や皿の間をうねうねと動いていた。

 

心臓が止まりそうな程の驚き。

夫も私も予期せぬ出来事に慌てふためき

火鋏だなんだと言っている間に

食器棚の間に隠れてしまった。

食欲も一気に失せた。

 

今もこの小屋のどこかに

潜んでいるだろう蛇。

 

豪雨と蛇で

今やお先真っ暗な私である。

粗毛反魂草(アラゲハンコンソウ)

f:id:URURUNDO:20180704002243j:plain

アラゲハンコンソウ

 

粗毛反魂草

なんと言う気骨ある名前だ。

そして

愛らしい風貌を

お喋りな娘の様な姿にしているのが

真ん中の焦げ茶色。

 

初冬にそれが種になり

土にかえり

次の年の初夏に沢山の芽を出す。

 

そんな律儀で愛らしい花に

粗毛反魂だなんて名前をつけて・・・

冗談かと思えば

ちゃんとした学名だった。