オーレンの花

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オウレン(黄連)

 

オウレン(黄連)の花が

春一番に咲くのを

忘れていたよ。

 

踏んでしまいそうな

ひっそりと静かな花だ。

 

梅の花

オオイヌノフグリ

姿さえも見せていないのに。

 

乾燥した根を煎じると

良質の漢方薬に。

胃腸薬、精神安定剤

 

コーヒーや紅茶の様に

熱く淹れた黄連のお茶を

ポットからカップに注ぐ

というのはどうだろう。

 

鼻先をくすぐる苦い香り。

 

考えるだけで

心が静まりそうな

そんな気がする。

NHKFM「夜のプレイリスト」 エルビス・プレスリー

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深夜に聴くプレスリーは格別だ。

NHKFM「夜のプレイリスト」に

南伸坊が選んだ

若い頃から亡くなる前までの

エルビス・プレスリー・ベスト」

 

若いプレスリー

弾ける様な声で

「GIブルース」「ハウンド ドッグ」を歌い

40才のプレスリー

野太い声で「この胸のときめきを」を歌う。

 

1977年 42才で亡くなった。

そんなに若かったのか。

凝縮され走り抜けた 

アメリカのiconの一人。

 

心揺さぶられる

プレスリー晩年の名唱「この胸のときめきを

聴いて下さい。

www.youtube.com

この胸のときめきを

  (You don't have to say you need me)

フキノトウ味噌

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やっと出て来たね!

淡い緑の衣の中から

小さな顔が私を見ている。

 

土の中に指を入れ

傷つかない様に

引き抜く。

 

香りまで苦い。

 

7、8個。

手のひらに載せ持ち帰り

先ずは

フキノトウ味噌。

 

味噌、砂糖と酒を

照りが出るまで煮詰め

そこに

湯がいたフキノトウを刻み

加えてよく練る。

 

熱いうちに

蓋物へ入れた。

 

チキンのローストに塗っても

炊きたてご飯に載せても。

 

苦みのある

香り立つフキノトウ

冬を耐えた力を感じる。

この風の強さはどうだ

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よく晴れて

日差しも明るい日。

 

でも

この風の強さはどうだ。

 

太陽が山の上から顔を出すと

夜の間に降りていた霜が

煙の様に水蒸気を上げている。

 

山際の日陰から流れ出る伏流水が

長い氷柱になっていた。

 

カラスが鳴いて群れている。

「春が来た」と慌てて出て来た動物が

寒さで行き倒れたのか。

 

春の使者の空色の花

オオイヌノフグリもまだ咲いていない。

「スペンサーの料理」 早川書房

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1986年刊

 

1980年代の半ば。

私はアメリカのテレビドラマ「私立探偵スペンサー」を

深夜にドキドキウキウキしながら見ていた。

確か、ビデオもない時代だった。

 

ロバート・B・パーカーの探偵小説

「スペンサー」シリーズのドラマ化。

 

ハードボイルドの探偵のイメージ。

出がらしのコーヒーを

散らかった部屋で飲み

着古したコートを引っ掛けて

街に出て行く。

 

そんなイメージを払拭した

スペンサーの作る料理は

実質的で懐かしい家庭料理だ。

 

「田舎風パテ」「カボチャのスープ」

「鶏とマッシュルームのクリーム煮」

「フライド・グリーン・アップル」

「ホットビスケット」「ルーバーブパイ」

「ふすま入りパンのピーナッツバターサンドウィッチ」

等々 等々。

 

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小説、ドラマの中でスペンサーの作る料理。

それを一冊の本にしたのが

「スペンサーの料理」だ。

 

何度となく読み返し

いつの間にか

私の料理になったものも幾つか。

 

舞台になっているボストンの描写

事件の謎解き

そして

スペンサーの作る料理が楽しみで

次々と小説を読んでいった。

30年程前の事だ。

杉のおひつ

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杉のおひつ。

赤銅の輪っかで締めてある。

 

30年程前

姉にもらった。

 

炊きたてのご飯をおひつに移し

しばらく使っていた。

束子で洗い よく乾かし

大切にしていたが

内側が黒くなってしまった。

 

しまい込んでいたそのおひつを

何十年振りかで出した。

焼いたパンを保存するケースとして。

 

おひつの蓋を開けるたび

イーストの香りが立つ。

乾燥もしない。

 

冷凍庫に入れておくより

パンもおひつも喜ぶだろう。

 

天然素材のものは

どんな所にも馴染む。

 

「ずっとここに居ましたよ」

という顔をして

鍋の横に喜楽な風情で鎮座している。

やる気満々の植物達

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テレビの天気予報の

風向きを示す指紋の様な渦。

あれを見るとがっかりする。

 

又「数年に一度」の暴風雨か、と。

 

先週の暴風で

タイチさんの屋根の瓦が大きく動いた。

 

さて

そんな私の気持ちを笑うかの様に

黒文字の木の芽は

はち切れそうで

植木鉢のクリスマスローズの蕾は

下を向いたまま

やる気満々だ。

 

お陽さまの光に沿って生きているのだろう。

「風とか寒いとか関係ないよ」

と、言っているのかいないのか。