「チベット旅行記」

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明治時代

鎖国中のチベットに行き

インディー ジョーンズ顔負けの旅をした

お坊さんの河口慧海

 

旅の手段は歩くのみ。

食料は麦焦がしを水で溶いたものとドライフルーツ。

氷が流れる川も泳いで渡る。

ダライラマに会ったり

山賊に出会ったり

偽医者みたいな事をしたり。

 

雪の中を

鉛色をして流れる川を見る度に

私は河口慧海チベット旅行を思い出す。

氷が流れる川を泳いで渡る?

ホントかな?

誰も見てないぞ・・・

でも

橋がなければやっぱり泳ぐかな?

 

若い頃に読んだ「西域探検紀行全集」

チベット旅行記」はその中の一冊だ。

全集を一括購入して次々と読んだ。

 

旅の本を思い出す時

何故か一緒に旅をした様な気がする。

不思議な感覚だ。

 

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チベット旅行記 河口慧海 著

カワガラス

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(カラー写真)

 

凍った道路を

そろそろと、転けない様にと歩いていると

「チッチッチ」とカワガラス

 

川の上を小さな黒い体で

ピューッと飛び

雪の岩の上にピタッと止まる。

 

「おお、お久しぶり。 

 私は小屋の中でくすぶっていましたよ」

と、挨拶をする。

 

カワセミの様に美しい瑠璃色の羽も持たず

うぐいすの様に褒められる様な声も持たず

セキレイの様に上手に尾羽を動かす事もせず

ただひたすら

弾丸の様に川の上を飛び

直角に谷に向かって曲がる事が出来る。

 

「ただ、それだけですよ」と

謙遜なのか、自慢なのか・・・

 

そんな面白いカワガラス

私は大好きなのだ。

赤と黄色のダンプ

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昨日除雪してスッキリしたのに

又、1メートル程積もった。

ふんわりとして綺麗な光景なんだけど。

 

午前8時頃

うちの前の道路が通行止めになり

夕方に市バスが走り始めた。

市バスと言っても

小さなコミュニティバスだ。

 

そして私は

雪が小降りになった頃から

除雪に精を出した。

 

赤と黄色のダンプ。

黙々と雪を川や谷に運ぶ。

 

明日の朝

屋根から落ちた雪を運ぼう。

早起きをしてね。

さらさらの雪(2)

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うちの集落より

まだずっと奥に住む「弟君」

うちの倍の雪が降る。

 

車の周りを除雪したのに

次の日の朝

「車が隠れる程の雪が積もった」と嘆いている。

 

うちは給湯器と洗濯機の水道が凍った。

除雪で汗をかいてもシャワーが使えない。

「何て事ないよ、何ヶ月も続く訳じゃなし」

と、自分に言い聞かしたりして。

 

窓から見える雪の世界は

外灯に照らされなんと美しい事か。

 

嘆いたり、景色に見とれたり。

そんな事を繰り返して

春に一歩一歩だ。

さらさらの雪

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 (カラー写真)

 

よく降った。

さらさらの雪。

 

除雪ブルドーザーが一回だけ通った。

 

郵便配達さんと市バス

それから

市役所の車。

 

こんな日は

集落全体が眠った様になる。

 

凍結した雪道を

アクセルをいっぱい踏んだ車が3台

毎晩、うちの前を走り去る。

川に落ちたと言う話は聞かない。

 

小屋の中で私は

紅茶を啜り

深夜ラジオを聴きながら

「そろそろ寝なければ」

寒波の今日

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(カラー写真)

 

一日中、凍っていた。

周りの景色も車の道も。

 

私は半日

雪の降る外で

板に釘を打った。

 

北風は強く吹き

雪が風で舞っているというのに。

 

飛び回っていたシジュウカラ

とても迷惑顔。

 

小屋の煙突から

ストーブの煙が南に流れる。

 

シジュウカラ

北風も雪も

私も

そして

ストーブの煙も。

 

それぞれが

好き勝手に動き回る

寒波の今日。

涙目で歩いていると

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気まぐれな空模様の一日。

 

灰色の雲が北西から南東へ。

忙しそうに走る雲。

 

雪まじりの風が吹く。

 

青空が見えると

雪が消えて陽の光が射す。

 

冷たい風で

私は涙目になりながら歩く。

 

すると・・・

遠くからカランカランと響く音。

やって来た、やって来た。

 

80才を遥かに肥えた

「栃餅御殿」さんの古いバン。

 

栃餅を沢山売って

「栃餅御殿」を建てたと噂の人だ。

 

会えば必ず何かしらを

「ホイ」と手渡してくれる。

今日はサンガリアの缶ジュース。

 

紅葉マークも色あせて白くなった

カランカランと音のする車。

ゆっくりゆっくりと山道を行く。

のどかだ。

 

「お気をつけて〜」