気合いを入れて過ごす季節

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簡素な薪ストーブの上。

 

青い鍋にはぜんざいがとろとろと

白のミルクパンには柚子の砂糖煮がぐつぐつ。

アルミの片手鍋には

捨てようかと思った小さなじゃがいも。

皮を剥いたら冷蔵庫に保存しよう。

そして

大きなやかんにはいつも湯が沸いている。

 

いよいよ冬だな。

 

何かしらの鍋が

うちの簡素な薪ストーブの上に載り

湯が沸騰して

やかんはチンチンと音を立てる。

 

暖かい部屋から

大きな月を眺め

冷気を中に入れるものかと

カーテンを引いた。

 

冬は気合いを入れて過ごす季節だ。

冬の色

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食いしん坊の私は

木から舞落ちた葉っぱが

黒糖かりんとう

チョコレートをコーティングした

コーンフレークに見える。

 

葉っぱの上を歩けば

さらさらと

軽やかな音がする。

 

知人が昼前にやって来た。

柚子を二つ貰った。

輪切りにして

砂糖を沢山使って

ミルクパンで煮詰めよう。

 

お湯やホットウィスキーで割れば

これからやって来る寒い日の

上等な飲み物だ。

 

料理本「シネマ厨房の鍵貸します」

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ソーセージとりんごのオーブン焼き(アメリカ映画 若草物語 1994年)

茄子とインゲンのサラダ、海老の炒め物(ベトナム映画 青いパパイヤの香り

 

アメリカ、南北戦争の頃

若草物語」の4人の娘がいるマーチ家の食卓。

ソーセージとリンゴをオーブンで焼いた料理は

クリスマスに食べる特別なものだ。

 

20世紀半ば、ベトナムサイゴン

田舎から奉公でやって来た娘。

その娘の成長を通して、屋敷に住む人達の生活を描いた

映画「青いパパイヤの香り

「なすとインゲンのサラダ」「海老の炒め物」

そのどれにもレモンとニョクマムが使われている。

 

映画に出てくる料理。

その映画の言葉のない台詞のようだ。

豪華なものより、簡単な料理に無言の台詞を強く感じる。

 

「クレイマー クレイマー」

忘れられないフレンチトースト。

 

「ディアハンター」

ベトナム戦争で死んだ友の

葬儀の後に焼かれる

ミルクたっぷりのスクランブルエッグ。

 

「恋に落ちて」

夫デ ニーロとメリル ストリープの関係に気づいた妻。

帰宅した夫に出すたった一皿のパスタ。

その上、夫は妻に頬を叩かれるんだから。

 

幸福の黄色いハンカチ

刑務所から出所した高倉健

丼に顔を突っ込む様にして食べたラーメン。

 

まだまだ思い浮かぶ

 

「シネマ厨房の鍵貸します」を図書館で借り

見た映画を思い出しながら読んでいる。

 

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「シネマ厨房の鍵貸します」は、id:Marichanの記事から知りました。

小さな2個の塊

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小入谷峠(おにゅう峠)に辿り着くには

鯖街道に沿って

車が通れるように削られた細い道を

くねくねと登っていく。

 

削り取られた崖は

大雨が降れば崩落し

車は通行止めになる。

 

道に餅菓子のあられを撒いた様に

散らばった小さな岩や石。

 

広がる青い空と

自分の息づかいだけが聞こえる空間で

その小さな岩を手にとり

太陽にかざしてみる。

 

これが私の住んでいる

地球の一部なのか?

 

キャラメル程の小さな塊の中の

ガラスの様に光る石英

金色に光る鉱物の斑点

錆色の何か。

 

ズボンのポケットに入れた。

 

机の上の小さな2個の塊。

この小さな地球に住む私とあんた達は

ちょっとした家族の様な物だ。

素朴なフランスのパン

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フランス人の女の子、ポーリンは20才だ。

日本のあちらこちらを旅しながら一年滞在する。

 

いよいよ今日

うちの集落を離れ岡山へと移動する。

 

スイス人のカミルと

夜に小さな小屋の我が家にやって来ては

クレープを焼いてくれたり

ずっしりとしたパンを持って来たり。

オーブンもないチャックの小屋で

どうしてパンを焼いたのか。

 

そのポーリンに伝授されたパンを焼いた。

 

小麦粉を発酵させた天然酵母を使い

塩、ほんの少しの砂糖、強力粉と水。

レーズンは好みの量だけ。

 

発酵して膨らんだ強力粉の塊。

そして

てっぺんに包丁で

十字の切り目を慎重に入れた。

 

時々オーブンを覗きながら

200度で45分。

 

ずっしり重い素朴なフランスのパンの焼き上がり。

酵母を絶やさない様にがんばってみるよ。

 

「ポーリン、ありがとう

 元気でね」

小入谷峠(おにゅうとうげ)

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木曜日にここを去るフランス人のポーリンと

まだもう少し滞在するスイス人のカミルと一緒に

まずはうちから車で20分の集落へ。

 

山の村の突き当たり。

その集落から歩いて

滋賀県福井県の県境の小入谷(おにゅう)峠へ登った。

 

杉の暗い人工林を過ぎると

明るい雑木林の山道が続く。

 

明るい青空の下

黄色の落ち葉が舞い落ちる。

 

崖から流れ落ちる水。

 

あれは布を赤く染める花だ。

名前が思い出せない。

 

一時間程登ると橅の木が現れる。

枝がくねくねと夜に見れば怖い樹形。

 

重なる山並みが目の高さに見える。

汗をかき始めた頃小入谷峠にたどり着いた。

 

霞の向こうに福井の小浜湾が見える。

滋賀や京都の山並みも。

パノラマの世界を見ながらおにぎりを食べ

「さあ、帰ろうか?」

 

往復4時間近くの山歩き。

今の私の頭の中は

歩きながら眺めた広い世界で埋まっている。

南米の芋 ヤーコン

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トミコさんからどっさりと野菜を貰った。

白菜、大根、赤かぶ、牛蒡

 

そして ヤーコン。

 

ヒマワリの様な黄色の小さな花をつける。

芋の内側は半透明の色で水分がたっぷり。

ほんのりと甘い。

 

作っているトミコさんも

これをどう料理するか困っている。

 

去年も貰い

色々試してみたがどれも満足しなかった。

 

さて

今年はどうするか?

 

短冊状に切り

熱いフライパンで水分を飛ばし

韓国の調味料コチュジャンをつけて食べてみた。

深くて赤い色をした甘辛いコチュジャン

これは相性のいい取り合わせだ。

 

大きなバケツに2杯のヤーコン。

試しがいがあると思いませんか?