可愛い人参達

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指の長さ程の人参。

15本程袋に入って80円。

余りの可愛さに買った。

生のフレッシュな鷹の爪も。

ピカピカ輝いている唐辛子も。

大きなサツマイモも。

 

図書館で本を受け取り

ぶらりと入った道の駅で。

 

固い目に茹でた可愛い人参。

砂漠の砂みたいな色の皿に並べる。

熱々に塩を振り

胡麻油をたらりと回しかける。

 

楽しい夕食の一品。

コリッとした食感。

美味しさは味だけではない。

原っぱにススキの穂がそよぐ

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御年80才のタイチさんは

それはそれは綺麗好きだ。

 

家の前の広い野原。

ススキの葉の背が高くなると

それが気になって仕方がないようだ。

 

毎年の夏

かんかん照りの下

草刈り機でススキの葉を刈り始める。

キーンキーンと刃が石に当たる音。

 

熱中症で倒れるのではないか?

私の心配をよそにその作業は続く。

 

 

今年の夏は暑かった。

さすがに草刈りの気力が失せたのか?

 

広い原っぱにススキの穂がそよぐ。

若い穂は赤い銅の色。

風が吹くと綿毛が飛ぶ。

 

先が尖った葉の間に

ピンクや黄色の花が咲く。

 

夏は行ってしまったのに

鳴いている蝉。

 

「タイチさん

これでいいんじゃないの?」

 

ショータさんのチェーンソー

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親方と弟子

 

ショータさんは90才。

10年程前まで

山仕事を生業としていた。

 

木を切ったり植えたり

楢の木で炭焼をしたり

栗の木で鉄道の枕木を作ったり。

 

夏に切った杉や檜を

雪の上を滑らして運んだり

木馬道(きんまみち)を

まるでジェットコースターの様に

木に股がり滑り降りたりしていた。

 

8年程前に

ショータさんがチェーンソーをあげると言った。

大きなのと小さいのと。

 

小さいのはチャックの所に行った。

 

メンテナンスをしなければと思いつつ

薪小屋の隅に置いたまま

8年程が過ぎた。

 

山仕事をしている「弟君」

そのショータさんのチェーンソーを

メンテナンスをして一昨日持って来た。

 

重い重い大きなチェーンソー。

こんな重いのを担いで山に登り

ショータさんは仕事をしていたんだな。

 

力強いエンジン音で

赤い重いチェーンソーが唸る。

太い木も簡単に切って行く。

 

今2代目の夫の白いチェーンソーが

まるで弟子の様に従っている様。

「講釈を言うのにはまだまだやど」と

ショータさんのチェーンソーは言う。

二番目に好きなパン コルネ

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京都で

友達と会って

ご飯を食べて

大いに喋り

そして

帰りに買い物。

 

JRの最寄りの駅前スーパー。

ここのパン屋ではめったに買わない。

だって

私の一番好きな

シナモンロールを売っていないから。

 

コルネ。

2番目に好きなパン。

あんドーナツも買おう。

今日は特別。

 

さあ

家に帰ろう。

山の中の家までは車で40分。

 

明るい間に帰ろうと気が急く。

そんな事が気になり始めると秋だ。

菊芋の黄色い花

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菊芋の花

 

ヒマワリみたいな葉っぱが出て来て

日に日に茎が伸びて。

 

なんの植物だろう?

 

2メートル近くになった頃

台風の強い風に倒れてしまった。

それでも伸び続ける強い植物。

 

黄色い花のこの植物は

菊芋だって。

 

花が枯れる頃

土を掘ってみよう。

 

さくさくとした食感の

体にいいと言われている

ちょっと無骨な塊が出てくるはずだ。

 

黄色の可愛い顔をしているが

とても生命力が強い。

 

風に乗って種子が運ばれ

うちに根付いたんだ。

その縁を喜ぼう。

百合 ハルジオン

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ケンジさんの野菜を作っていない畑には

百合の花がバランスのよい間隔で

咲いている。

 

夏の始まりの頃

ここには

ハルジオンが一面に

群れて咲いていた。

 

「ケンジさんには似あわない花だよねぇ」

百合 ハルジオン

勝手に生えて花を咲かすのだ。

 

うちにこんな庭があったなら

ベンチに座って

蜜蜂の羽音などを聴きながら

うつらうつらとしてみたい。